「ヒミズ」
私が一番好きな漫画
この漫画に出会ったのは確か17才くらい。今はTwitterとかInstagramとかSNSが盛んだけどこの頃はホームページ制作サイトでHPを作って自分の事や趣味の事を発信していくのが主流だった。
その後mixiが大爆発して個人ホームページは徐々に下火になっていったっけ。懐かしい。
その頃、絵を描く事にハマっていて絵描きさんのHP巡りをよくしてた。美大に通っている人で名前は忘れてしまったけどちょっとダークな絵で凄く好きで大好きなドイツのメタルバンドRAMMSTEINもその人が絵を描いていたのをきっかけに知って大好きになってドイツにまで行った。
メタルバンドなのに特殊メイクでデブになったり女装したり女体化したり、でも音楽はめちゃくちゃかっこいい。17才だったけど頑張って一人でドイツ行ってよかったって今も凄く思う。
話は戻って昔のHPには相互リンクっていうのがあって好きな人やリアルの友達、ネットの友達とかのURLを載せてるページがよくあった。
その美大の絵描きさんが好きだった個人のHPの人が今で言うTwitterのツイートのような形で自分の考えや出来事を発信していてその考えが大好きで好きな物、映画、音楽、結構影響された。
その人が紹介していたのが「ヒミズ」できっと素敵な作品なんだろうと速攻イオンに買いに行ったのが出会いだった。
あらすじはこんな感じ↓↓
大人になって人に合わせたり、間違っていてもイエスと言ったり、時には見て見ぬ振りをしなきゃいけない。そういう純粋さを生きていく中で少しずつ捨てていかなきゃいけない感じがどうしても自分の中で許せなくて大人になる前に死んだ方がマシだし死にたいってずっと思ってた。
周りの大人を見て、平然と嘘をついたり道理に反する事を何事もないかのようにしてなんで平然と生きていけるのかな、凄いなと。それが楽に生きていく術なのはわかっていたけどどうしても許せなかった。頑固だった。
住田くんのこのセリフを見て「あー私、自分で自分に失望したくないんだ」って気付いた。
多分この頃はどうしようもなく自分に自信がなくて大嫌いで死を選んでしまう一歩手前だった。その上でただでさえ人として色んなものが欠落しているのに自分にガッカリするような事をしてしまったら生きる道が閉ざされてしまうって思ってたんだろうな。死にたいって言いつつ…笑
住田くんは人殺しはこの世で一番図々しくて生きてる価値がないクズと言っていた人間にある日自分が成り下がって、同じくクズを見つけて殺せば「自分は人の命を救う事ができた価値のある人間」になれる。父親は蒸発して母親は家出して駆け落ちして自分は誰かに必要とされてるのか、生きていても良い人間なのか。生きていてもいいって思えるものが欲しかったんだろうな。
自首を選ばなかったのは多分刑務所に入って責務を全うして形上の償いをしてもクズのレッテルはずっとつきまとうし、彼には本当の意味での償いにはならない事が自分の志に反するから…。
この漫画を見た時「自分も気を付けないとこうなるぞ」って戒めになって自分を客観的に見れた。自分は中々危ないところにいるんだって。
今この漫画の存在意義は十代の時の漠然とした不安とか純粋な気持ちとかを忘れないようにする為のものになった。
変わってしまったけど変われた。