音楽家とは

どんな人間を思い浮かべるでしょうか。
テレビの中や煌びやかなステージに立つ人だろうか。

僕が真っ先に思い浮かべる音楽家達は
みんな普通の人間だ。
出会った普通の人達だ。

普通、と言うのは音楽の話ではない。
身内贔屓している訳でもない。
音楽で生計を立てていなくても、掛け値なしに素晴らしいと思う、そんな音を鳴らす普通の人が沢山いる。

才能やセンス、完成度。
それらと成功が=ではないと高校生の時に観に行った地元のバンドを見て知った。
成功したくない人なんて居ない、その結果はもしかすると不本意なのかもしれない。
それでも頭でっかちな僕にとっては、それが希望に見えた。

何かを成し得なくても、例え煌びやかなステージに立たなくても、積み上げてきた努力や研鑽は、人の胸を打つ音になる。

音楽に人生を賭けることは博打、世間一般的に見たらそうだと思う。自分もそう思ってた。でもあの日そんな音を聞いてその価値観がひっくり返った。

世間から見たら売れることができなかった、人生に置いて重要であろう20代を棒に振った、そう映るのかもしれない。でも自分もそんな風に、誰かの胸を打つ音が鳴らせたら、それならそれでいい。勿論、煌びやかなステージには立ちたいけどね、みたいなそんな気持ちで上京した。

結果は出た、20代はもうすぐ終わる。
煌びやかなステージには立てなかった。
誰かの胸を打つ音楽を鳴らすことは出来ているだろうか。その答えはまだ出ない。でも胸を張れる、決して棒に振ったとは思わない。

良い音楽を作ろうともがいて勉強して、声を枯らしてきた、言葉を凝らしてきた。音を磨いてきた。
まだまだ思い描く物には届かない。でもこれを続けていくことは息をするのと同じだから、生きている限り音楽を辞めることはもうないと思う。

僕も"普通の音楽家"になりたい。
まだまだ知らない人の知らない素敵な音楽が沢山あると思う。沢山の人に、音楽に、出会いたい。
そんな人達と音で語らえる人間になりたい。
それが今僕の思う、音楽家だから。