駅のホームには、知らない人の足音がバタバタと。春の風と埃とともに舞っていた。
十三だとか御堂筋線だとか、聞き慣れない見慣れない文字に戸惑いながら、大阪にいた。
橋の上を通る電車の窓からは、何処かで見たような風景。川崎を少し過ぎた辺りの多摩川に似ていて、自分が一瞬どこに居るのか分からなくなる。
一人きりの出張は、初めてじゃないけれど、いつもより少し背筋を伸ばして、イヤホンから流れる音を大きくして歩かないと、この街に容易にのみ込まれてしまいそうだった。
強くかすれた声と弾むギターの音が、ネガティブな思いやプレッシャーを意図も簡単に吹き飛ばした。
『 contrast 』の1曲目『色彩』を聴くと、あの駅のホームの春の匂いや陽射しの眩しさまでもが鮮明に思い出せる。
contrast /秦基博