私を「詐欺師」にでっちあげた海老名警察の不当捜査
大倉満
㈱WORLD INNOVATION社長
月刊 WILL12月号 記事転載
平成二十一年、私はドリームバンクという会社を立ち上げました。
事業はすぐに軌道に乗って順調でしたが、警察の傍若無人な捜査によって潰されてしまいました。警察との一件があったために、私はいまだにネット上では「投資詐欺」とか「台湾で逮捕状が出ている」とか、いわれのない非難を受け続けています。
なんとしてもこの汚名を雪がなくては――そんな思いで、私はこの経緯を公表する決意をしました。
画期的なシステムを考案
私が立ち上げた会社というのはこれまでにないシステムを考案、実行したものです。
それは商業用商材(設置することによって商業的な利益を生み出すゲーム機や自動販売機等)を一般のお客様にご購入いただき、会員になってもらう。そして買っていただいた商材をお客様からお借りして、関連会社を通じて商業施設へ設置。設置した商材の一部をお客様に毎月お支払いするというビジネスモデルです。
会社としては商材を生産する資金を準備する必要がなく、お客様に買っていただく段階で利益を生み、設置した機器の売り上げからも利益が生まれる。この商業用商材を買っていただき、貸していただいたお客様には会社から毎月の売上金額の一部をお支払いすることで、お客様は最初に購入した以上の金額を受け取って利益が出る。会社もお客様もともに利益が出るというシステムです。
ドリームバンクはマッサージチェアで、このシステムを運営したのです。各地でセミナーを開いて会員を募集したのですが、反応は上々でした。
月によって変動しますが、毎月、会員にお支払いする金額はだいたい一万数千円から二万円程度。会員は約三年で元をとれるようになっており、二年~二年半で利益が出た方も二、三割いらっしゃいました。
ある日突然、家宅捜査
このシステムが評判となり、会社を始めてから二年で会員の数は一万人に達し、マッサージチェアを設置する施設も四百件ほどになりました。まさに順風満帆でした。
支払いも滞ることなく、会員からはお礼の言葉しかいただいたことはありませんでした。
ところが平成二十三年七月、事態は一変します。突然、私の自宅と関連会社のすべてが、海老名警察署によって家宅捜索されたのです。
そのとき、韓国に出張していた私は、帰って来てすぐに海老名警察署に出向いて、どういうことか事情を聞きました。
ドリームバンクではマッサージチェアのほかに、足のマッサージ器も扱っていました。このマッサージ器を販売する際、販促のチラシに「このマッサージ器によって足が軽くなります」と謳って販売したのが薬事法にひっかかるという。あとから知りましたが、医療認可を取らないと「足が軽くなる」「肩こりに効く」などと表記してはいけなかったのです。
足のマッサージ器は安い商材なので、チラシ作りを一部の社員と外部の人間に任せており、私の目が行き届いていなかったのがいけませんでした。
私には、薬事法違反であることを知りながら、マッサージ器を売るために「足が軽くなる」という文言を入れた容疑がかけられていました。
ですが警察は、明らかに薬事法違反ではなく、別件で私を狙っているようでした。
後日、弁護士さんに言われたのですが、誰も怪我人などが出たわけでもなく、チラシ記載内容の問題程度であれば罰金にも当たらない。せいぜい注意程度で済むはずだ。とても家宅捜索を受けるような内容ではない、ということでした。
警察の話を聞くと、前から私をマークしていたようで、ある警察官からこう言われました。
「私のことを覚えていませんか?以前、セミナーに参加して、大倉さんが羽田空港に着くまですっと尾行してたんですよ」
まったく気がつきませんでした。
警察から調査にサインを求められました。取り調べでもないのになぜ調書を取られるのか。調書の内容も「売上げのために悪いこととは知りながら黙認した」とあり、私の説明とは全く違っていました。
「私は事情を聞きに来ただけなのでサインはしません」と断ると、現金以外、ケータイも含め、その時に所持していたものを全て押収されてしまいました。
脅しまがいの取り調べ
警察署から帰るとき、最後に警察官が私にこう言いました。
「大倉さん、長い付き合いになりそうですね」
これが全ての始まりでした。
なぜ海老名警察署が私をマークするのか、住所も海老名署と関係なく、さっぱりわかりませんでしたが、一つ、思い出したことがありました。
家宅捜索に入られる一ヵ月前、ある会員から電話がありました。
「海老名警察が、うちの会社とドリームバンクの関係を訊きたいといってきているのだけど・・」
そのときは、「うちとしては何もやましいことはないので事情をお伝え下さい」と答えました。
つまり、少なくとも一ヵ月前の時点で会社はマークされていたということです。
警察の捜査は、家宅捜索だけでは終わりませんでした。
二ヵ月後、警察はドリームバンクの関連口座を凍結し、口座のおカネを一銭も動かせないようにしたのです。
銀行に凍結の理由を訊いてみると、警察から「この口座は犯罪に使われている可能性がある」と通知が来たという。
警察に問い合わせても、「警察は犯罪に使われている可能性があることを銀行に伝えただけだ。銀行が勝手に口座を凍結したにすぎない」の一点張りです。
弁護士を通じて再三、警察に口座凍結を解除してほしいと伝えましたが、梨の礫でした。
つまり、警察が怪しいと思った組織の口座は、それだけ凍結させておくも警察の自由ということです。
このままでは会員への支払いもできない。運転資金にも事欠くなか、月々の支払いについてはどうにか口座以外の資金を使って、その後も半年以上支払いを続けました。
その間、社員十人くらいが連日のように入れ代わり立ち代わり、事情聴取に呼ばれました。
事情聴取の内容を訊くと、どうやら私を詐欺の容疑で逮捕しようと躍起になっているようでした。
「ここに大倉が詐欺をやっていた証拠があるんだ。私が証拠を見せる前に隠していることを言わないと、お前も共犯だぞ。五分やるから考えろ」
もちろん、やましいことなど一切ありませんから、五分後、社員が「何もありません」と答えると、取り調べの刑事は「そうか。ならいいや」。
脅しともとれるこのようなやり取りも含め、取り調べが何時間も続いたのです。社員たち、女性社員たちにとっては精神的に相当辛かっただろうと思います。
しかし不思議なことに、私自身に事情聴取の声がかかることは一度もありませんでした。
許し難い娘への暴言
翌年(平成二十四年)一月、今度は別の口座も凍結されました。会員に支払うために苦肉の策でつくった口座だったのですが、そこも凍結されてしまったのです。
このときの口座凍結はかなり大規模で、ドリームバンクとは経営的に何の関係もない、私が個人的に使っていた健康サプリメントの会社の口座も凍結されました。
その会社の社長から「どうしてくれるんだ!」と苦情が来て、お詫びして許してもらいました。
警察としては、私に関連のある口座を徹底的に凍結して干上がらせれば、音を上げて自供するとでも考えていたのでしょう。
二度目の口座凍結から二ヵ月後の三月、三度目の家宅捜索をされました。今回の家宅捜索は、前回と異なり大規模で、会社の営業に不可欠な会員の情報が登録されているパソコン、顧客リストなどすべて押収されました。
それだけではありません。そのとき、もっとも許せなかったのは、家宅捜索で現場にいた警察官の一人が、当時、小学四年生だった下の娘に暴言を吐いたことです。
家宅捜索は、上の娘が小学校卒業式の前日でした。上の娘が卒業式の準備をしていると、警察が押しかけてきた。
「一切、動くな。家を出ることも禁止する」
そこへ、小学四年の下の娘が学校から帰ってきました。娘は状況がまったくのみ込めないようでしたが、お腹が空いたのでしょう、家内に「お母さん、ごはん作って」と言いました。
家内は家宅捜索に立ち会っていたので「ちょっと待っててね」と返すと、ある警察官がこう言い放ったのです。
「あなたのお父さんが悪いことをやったから調べられているんだよ」
それを聞いた娘はしばらく静かにしていましたが、空腹を我慢できなかったのか、また家内に「ごはん作って」と言いました。
すると、また警察官が暴言を吐きました。
「あまりうるさくすると児童相談所に連れて行くよ。ちょっと黙ってて」
多感な年ごろの娘に、そういう言い方はないだろうと怒りがこみ上げてきました。
憤慨した私は後日、その警察官の発言はあまりに酷いのではないかと、神奈川県知事と海老名警察署長宛に手紙を書きましたが、全く無視され、何の回答もありませんでした。