「はからい」

きょうは新しい職場に配属されてから、4日目。
最初の2日は、私と同じく2歳の息子ちゃんがいる、チャイニーズのママ社員が、つきっきりでトレーニングしてくれた。それが終わってからは、私より早い時間にスタートしている、同じ部署のもう1人の社員と2人で働くことになった。同僚の彼女は、航空会社勤務33年(!)という、カリスマベテラン社員で、私が来る前に問題になりそうな案件を、すべて先に処理しておいてくれている、超有能な先輩だ。目のパッチリした、ボブカットにメガネの温厚そうな50代女子で、自分のデスクで、重箱の隅をつつくような作業をパッパとこなし、長年の経験とカンのよさで、ややこしくなりそうなケースを事前に察知して、問題になる前に対処しておいてくれるので、私は本当に助かっている。

だけど彼女が先に仕事をあがってしまうので、そこから6時間、自分のシフトが終わるまで、この部署の担当は新人の私1人になる。心細くて初日は相当ハラハラした。でもそうなるだろうと思って、辞令が下ったあとで別の関連部署にいる、カナダ人の先輩全員に「新人の私が、こんな荷の重い担当を任されてしまったので、とうぶん皆さんにはご迷惑おかけします。頑張りますので、どうかよろしくお願いします」とあらかじめ仁義はきっておいた。そのとき「お時間あったら、ぜひ私の部署に来ていろいろ教えて下さい!もう1人だだと不安でしようがないんですよ〜」と泣きついておいたら、初日に同僚のカリスマ社員が帰ってしまったあと、ほんとうに別の部署のお姉さまが、わざわざ私のデスクに来て、ずっと面倒をみてくれた。

おかげで2日目の今日は、ずいぶん仕事のリズムもつかめてきて、1人でも大きな迷惑をかけず、ぶじシフトを終えることができた。帰りに関連部署のお姉さまに挨拶したら「あんた今日よくやったじゃないの!チェックすべきところも、ちゃんと押さえて対応してたし、頑張ったよ!新人にしちゃ上出来!」とけっこう大きな声でほめてくれて、本当にうれしかった。

きのうも仕事中に、同僚のお姉さまがデザートを差し入れしてくれたり、デスクの近い初対面のスタッフにおやつをもらったり、みんな身の丈にあわない仕事を任された、新人の私にすごくやさしくしてくれる。「仕事の調子どう?分からないことがあったら、何でもきいていいよ」と言ってくれるスタッフもいたり、私がストレスたまらないように、とにかくさりげなく気をつかってくれる。

これはカナダ人全体の気質としてそうなのか、カナダでも特に、この街の人たちがそうなのかは分からないけど、とにかく空港で働きはじめてからというもの、とにかく周りがやさしい人ばっかりだ。そのやさしさも、日を追ってエスカレートしていて、特に新しい担当がきまって以来、右も左も分からずにいる私を、周りがよってたかって助けてくれる、すごいミラクルの連続。

ある持ち場では、ふつうはあまり会話さえしない、パイロットやCAさんまでが、現場でテンパってる私にアドバイスしてくれたり、実際の仕事の手助けまでしてくれた。もちろん皆さん初対面。

帰りがけに思いがけずほめられて、充実感いっぱいでタイムカードのある事務所に行ったら、ぐうぜん久しぶりに会う同期に会った。仕切りキャラのチュニジア出身の女子社員で、私と同年代のお母さんなので、よく共通の話題で盛りあがる。いつもは仕事終わり、1人で歩く真っ暗な駐車場までの道を、今日はにぎやかな彼女とおしゃべりしながら、たのしく歩いた。そのとき彼女から、ギフト用の高級チョコまでごちそうになった。

きのうは友人が、わざわざ家までランチを持って遊びに来てくれた上、手作りチーズケーキと彼女が編んでくれた、あったかそうな毛糸の帽子までいただいたし、ちょっと立ち寄った知り合いのオフィスでは、おみやげにアロマセットとバスソルトまでいただいた。

とにかく最近、宇宙からのギフトがどんどんおりてきてる。食べものからプレゼントから、おいしいランチや食事へのお誘い、子どもの高額な歯の治療代も免除になったり、新しい職場で初対面のベテラン社員さんたちに、とにかく助けられるし、同期に会えばいつも励ましてくれる。

相当ヤバい案件かもしれない、どうしよう。。。と不安になったら、その予約が全部キャンセルになったり、これは私1人じゃ絶対ムリ!という仕事から急に外されたり、ここ2週間ほどの天からのサポート、お膳立て、必要な人材のキャスティングがハンパない!しあわせ度がどんどん加速していく。私はどこにいっても良くしてもらえるし、何が起きても必ず助けられちゃう、ラッキーな星のもとに生まれたのだ。