こんにちはwildmonkeyです。



2020年の東京オリンピック前当時に
書いた小説ですが是非読んでみてね。


完全書き下ろし
wildmonkeyのパニック小説 

「関西弁禁止法」ご覧ください。

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2020年の東京オリンピックに向けて
飲食店での全面禁煙化やテロ対策の
法律が改正された。


それに加え驚くべきは法案が提出された。

『関西弁禁止法』

関西弁が品性のない言葉として
国際基準にそぐわないと判断されたのだ。

関西弁を使う人々は、当然のように反発し、

テレビのワイドショーは連日のように
この話題を放送した。

毎日のようにレポーターが
大阪の繁華街でインタビューをしている…

ーーこちら、大阪の道頓堀です。
     今回の『関西弁禁止法』について街の
                  声を聞いてみましたーー

     ーー20代の女性2人組はーー

    ーー関西弁が禁止になる
                    可能性がありますが?ーー

A「嘘やろ!ぜっっったいに!嘘やぁ」

B「ドッキリちゃうん?」

A「カメラどこー!」

B「ほんなら、
『お前の事…好っきゃねん』とか何てなるん?」

A「『君の事が好きだよ』ちゃう?」

B「何カッコつけとんねん!ってなるわ!」

A「うわー!ウチ、ヤバイ事気づいてしもた」

B「何なに?」

A「たかじんの『やっぱ好っきゃねん』歌えへんのちゃうん?」

B「歌うとしたら…」

A B「♩やっぱり 好きでした〜 やっぱり好きでしたぁ〜♩…何やこれ!良さゼロやん!」




    ーーにわかに信じられないと
                       いった様子です。ーー


   ーー心斎橋の商店街で
                   働く50代の男性の場合ーー

   ーー『関西弁禁止法』について
                       どう思われますか?ーー

「ホンマに困りますわ…ほな、どないして
しゃべったらよろしいの?

『儲かりまっか?ボチボチでんなぁ』

これ挨拶でっせ!
国は大阪から『おはよう』を奪うんかいな!

お兄ちゃん『儲かりまっか?ボチボチでんなぁ』
は東京弁でなんて言うの?」

     ーーおそらく『儲っていますか?
                  それほどでも』となりますねーー

「アホ言うたらアカンわ!
そんなもん!ただの失礼な質問やん!」


     ーー男性は大阪の独自の文化が
              無くなる事を懸念しているーー

     ーー公園でチャウチャウ犬を散歩中の
                                 80代の女性はーー


「ホンマにびっくりですぅ
私は毎朝、この子を散歩してるんですけどね
通りがかりの方が、この子を見て

「チャウチャウちゃうん?」
「チャウチャウちゃうんちゃう?」
「チャウチャウちゃう?」

ってずーっとやってるんです。
もう、笑てしもてぇ…でも
これからは、この光景が見れなくなると
思うと寂しいですね。」


      ーー女性は、目を細めたーー

 
     ーーそして、このような厳しい意見もーー

「ナメとったら、いてまうぞ!ホンマ!」
「何考えとんねん!国のアホンダラは!!」
「阪神優勝出来へんかったらどうすんねん!」


ーー2020年開催の東京オリンピックの準備が
      進む中、こういった野蛮な言葉を
         使っている日本人がいる事を
       政府は懸念しているのかもしれませんーー


インタビューを受けた人達は
モザイク処理をされていて、まるで
犯罪者を映しているかのようだった。

世間では様々意見が飛び交った。

当初、この冗談のような法案に関西人も
冗談で返していた。

しかし、
この法案はすぐさま可決されたのだった…


政府は関西人に免許証のようなカードを
配布し、関西弁を使った場合は、点数の減点、
罰金が課せらた。

それに応じて講習を受けされられたり
最悪は禁固刑もあった。


関西出身の漫才師たちは関西弁の
独特のリズムを奪われかつての
面白さを失った。


関西弁を使う大物芸人がこの現状に怒り
テレビであからさまな関西弁を使い訴えた!

「政府はこんなんして何が
オモロいんでっしゃろか?

ワテら関西人でんねん!!
関西の言葉で育ってまんねん!!」

関西人でも中々使わない
「でんねんまんねん」は悪質と見なされ
使用した場合一発で禁固刑だ!

政府はこの大物芸人を見せしめに逮捕した。

同じ所属事務所の後輩芸人達は
この逮捕の不当性を訴えたが
軒並み逮捕された。

当初、テレビのコメンテーター達からは
同情的な意見もあったが
すぐに、手のひらを返し「関西弁の持つ凶暴性」をアピールするように変わっていった…


あるロックミュージシャンは
曲にあえて「関西弁」を
隠して入れて歌い伝説になった。



若者達の間では『関西弁チキンレース』という、
"どこまで関西弁風の言葉をアウトにならずに
ギリギリまで言えるか"
ゲームが流行し社会問題になった…



駅前では「標準語スクール」が立ち並んだ。








そして…


関西の街から「関西弁」が消えた…

あの野蛮な品性のない「関西弁」は
日本から失くなったのだった。








そんな中、
新しく就任したアメリカ大統領が
来日した。


異色の経歴を持つ彼は
「元メジャーリーガー」
だった。


日本のプロ野球界でも活躍していた
彼は大変な親日家で
外交的にも有利になると政府は喜んだ。

元メジャーリーガーのアメリカ大統領は
日本に降り立ち報道陣の前でこう言った。

「ニホン ノ ミナサン ワテハ ニホン ガ
 メッチャ スキ デンネン

ナカヨク シタイ ト オモッテ マンネン

モウカッテマッカ?」

報道陣は凍りついた…

彼が日本で所属し活躍していたのは
"阪神タイガース"だった。

大統領の側近達はすぐに、
「関西弁禁止法」
について大統領に説明した。

すると大統領は

「カンガエ ラレヘン‼」

と不快感を露わにした。














その日
『関西弁禁止法』は廃止された。