会社への徒歩での道で、50メートルくらい竹林が続く場所がある。竹林の中を歩くのではなく、竹林を横目に見ながら、ということだけれど。
その竹林の中ほどにぽっかりと竹がない空間があり、代わりに白い花を咲かせる梅の木が7本立っている。
この「緑の中のわずかな白」が良い。
侘び寂びが何かはよく分からないが、俺に俳句の嗜みがあれば一句ひねり、茶道の心得があればここで野点をするだろう。
ちょうど今の季節は満開で、俺は毎年この季節をひそかな楽しみの一つとしている。
そして少し前に気が付いたことがある。
この梅の木の後ろには竹が生えているが、その竹の後ろに松の木が生えていることを。
俺の読みではきっと昔、どこかのおっさんがイタズラ心でやったんだろうな。満面の笑みを浮かべて。
ありがとう。どこの誰とも知れない昔のオヤジ。
あなたのおかげで、俺は小さな幸せを感じることができている。