温水洗浄便座。
ご存知の通り、温水によるシャワーで肛門を洗浄してくれるスグレモノだが、実は困った問題がある。
1.大便をする。
2.温水シャワーを出す。
3.トイレットペーパーを肛門にあてがい、水分を拭き取る。
4.肛門の毛にトイレットペーパーのカスが絡まる。
この項目4、ここが現場だ。事件は会議室で起きてるんじゃない。肛門で起きている。分かったか室井さん。
ただ絡まっているだけなら実害はない。
問題なのは、情事の最中に奥さんによって発見、採取されるという痛ましい事件が頻発していることだ。
このトイレットペーパーのカスは、形状がコヨリ状なので"コヨリ"と命名されている。
そして我が家ではこの状態のことを「コヨッティング」、そうなっている人を指して「コヨッター」と呼んでいる。
ただ、奥さんと子どもはそもそも温水シャワーを使わない。なので、我が家で俺だけがコヨッティングなコヨッターだ。
トイレットペーパーで拭く前に、なぜ温風で乾かさないのか? そういうご指摘もあるだろう。
だが俺は、肛門を通り抜けて我が顔面にそよぐ、あの生暖かい風が苦手だ。
しかも乾燥させてもかなりの確率でコヨッティングしている。
現状の対策としてはただ一つ。
肛門を拭いた後に毎回指で肛門を触診し、コヨッティングだったらケツ毛ごとムシる。
高い費用を掛けて温水洗浄便座にしたというのに、何の因果で大便のたびに肛門を触らないとならないのか? 俺はやるせない。
そんな悩みを何年も抱えていたが、ある時、衝撃の事実に気がついてしまった。
義実家のトイレでは絶対にコヨッターにならない!
なぜだ!?
俺は様々な角度から可能性を検証した。メーカーや商品の違い、水圧の強弱、ムーブの有無、拭き方。
しかしそのどれも、確実と言える検証結果は得られなかった。どんなパターンを試しても義実家ではコヨッティングしないのだ。
いつしか俺は半ば諦めかけていた。
そんなある時、義両親にトイレットペーパーを買ってきて欲しいと言われて買い物に出た。
そこで自体は急転直下、なんなく真相が明らかになった。
そう、トイレットペーパー自体の違いだ。
義実家で使っているトイレットペーパーは、我が家のそれより高級だった。
我が家はシングルだが、義実家はダブル。そしておそらく紙質も良く、厚みもあるのかもしれない。
まさかこんなところで収入格差を思い知らされるとは思ってもみなかった。人間、肛門を拭くことにすら貧富の差が生じるのか……。
俺はその時、心に誓ったんだ。
「ビッグになろう」って。
あと話は変わるが、メーカーの方にお願いしたい。水圧調整には是非ともチャイルドロックを付けてほしい。
たまに子どもが何気なく触って水圧がマックスになっていることがある。
知らずに使用して、危うくバージンを奪われそうになったことが幾度となくあるので、そっち方面の肛門のケアもよろしくお願いしたい。