追憶の骨 (bones) -66ページ目

追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。

 

 

「メダルだ~!」

「メダルだ~!」

「メダルだ~!」

 

今日もテレビが大騒ぎだ。

 

ニュース番組はオリンピックだらけ、連日、国会で繰り返される安倍晋三や麻生太郎の醜悪な答弁は、国民の目にさらされることはない。

 

まるでテレビ報道が、国会を黒塗りしているようだ。

 

そして、国民の目に触れさせたくなものは、どうやら、国会だけじゃないらしい。

 

 

 §§§

 

 

一昨日の2月13日、僕はある競技に注目していた。

 

男子ショートトラックリレー 5,000m 予選

 

もちろん、この競技が好きとか、そういうワケではない。マスコミの対応をチェックするためだ。

 

試合はNHKがリアルタイムで放送、途中まで善戦していた日本チームは、終盤で選手が転倒、予選通過はならなかった。

 

バツが悪そうにインタビューに答える選手たち、現地の特設スタジオはお通夜状態に…。

 

… 勝負事なんだから、仕方ネ~じゃん…。

 

結果よりも、NHKの対処の悪さが際立つイヤな放送だった。

 

 

 §§§

 

 

その夜のニュースは、各局とも高梨選手の銅メダルで大騒ぎ、残りは、今後出場する有力選手のVTRで埋め尽くされた。

 

その一方で、男子ショートトラックリレーの敗退を、ちゃんと報道したテレビ番組は、僕が知る限り、ひとつもない。

 

ちょっと思いだしてほしい。

 

以前のテレビは、予選も含めて、日本人が出る、出ないに関係なく、その日に行われた、すべての結果を報道していたよね。

 

… いつから、なくなっちゃったんだろう…。

 

それは映像ナシの速報形式だったけど、オリンピックの全体像がよくわかるし、日本には馴染みのない競技や有力選手のミニ情報があって、それはそれで僕には面白かった。

 

… それにさ、予選敗退だって、立派な結果だと思わない?

 

選手たちの家族や学校、競技関係者、地元の人たちなど、多くの人が期待を寄せていたオリンピック出場。

 

しかし、予選敗退者は、テレビから消されてしまう。

 

他の競技でも、多くの予選敗退者が、まるで最初から存在しなかったかのように、テレビから消されてしまっているのだろう。

 

「オリンピックの高揚感に水をさすなよ!」

 

テレビ画面の向こうから、そんな声が聞こえてきそうだ。

 

 

 §§§

 

 

「ところで、どうしてショートトラックに注目してたの…?」

 

理由はこれ。

 

 

(BBC 2月13日)

 

 平昌冬季五輪で、スピードスケート・ショートトラック男子日本代表の斎藤慧選手(21)にドーピング陽性反応が出たことが、13日明らかになった。(中略)

 

  斎藤選手はまだ五輪の競技に出場していないが、13日に行われる5000メートルリレーに出場する予定だった。

 

  CASは発表文で、斎藤選手が自主的に選手村を出たと明らかにした。詳しい調査が終了するまでの暫定的な措置として、五輪などの競技で資格停止処分を受けるという。

 

日本人選手が、平昌五輪で初めて、ドーピング検査に引っかかり資格停止処分を受けた、というニュース。

 

… これ、知ってた??

 

これも恐らく、テレビでは報道されていない。

 

僕はテレビが、このニュースをどう報道するかに注目していたけど、まるで財務省の黒塗り文書のように、テレビから消されてしまった。

 

「日本人は薬物にクリーン」

 

日本のマスコミは、これフレーズを何回も繰り返してきた。

 

違反の詳細は分からないが、日本人選手が資格停止処分を受けたのは紛れもない事実、しかし、その都合の悪い事実を、テレビは隠蔽してしまう。

 

「メダルだ~!」

「メダルだ~!」

「メダルだ~!」

 

僕にはこの状況が、狂っているとしか思えない。

 

 

… これって、戦争の時に似てるよね…。

 

戦時中、日本のマスコミは連日「勝った、勝った~!」の大騒ぎだった。それは「戦意高揚」という国民洗脳のためだ。

 

全滅を玉砕に、撤退を転進に、あらゆる不都合な事実を、言葉巧みに言い換えて、国民に真実を知らせなかった。

 

… 何にも変わってナイじゃん…。

 

この愚かさは致命的だ。

 

この国の報道を簡単に信用してはいけない。

 

そういう時代になってしまった。

 

 

<おわり>