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追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。

(NHK チコちゃんに叱られる)

 

 

… あ~、つっかれた~~!!

 

家に帰ってきた僕は、少し重くなった買い物袋から、飲料やちょっとした食品を取り出して、早々に冷蔵庫にしまい込む。

 

… とっとと、ご飯支度しなきゃ…。

 

気が抜ける前に、すべての作業を終わらせなきゃいけない。

 

テレビをつけると、それを見ることなく、僕は流しに向かって、同じような手順で、同じような夕食を作り始めた。

 

テレビから、軽々しい笑い声が聞こえる。

 

また、なんの引っ掛かりもないバラエティ番組でもやっているのだろう。日本のテレビは、いつ見ても、どこの局でも、すべて同じトーンの番組になってしまった。

 

… 同調圧力の強い、この国にピッタリか…

 

わいてくるイヤな気分を振り払って、目先の作業に集中する。野菜を切り始めると、なんだかお腹がすいてきた。

 

 

 

… えっ??

 

テレビからメロディが流れてくる。

 

シャバ デュビ デュッパ シャビ デュバ ♪

シャバ デュビ デュッパ ランララン ♪

 

子供の頃に聴いた、そのメロディ、僕はよく知っている。

 

… おいおい、テーマ曲はリバイバルかよ(笑)

 

なんて、バカにしていたのも束の間、頭の中を、そのフレーズがリフレインし始める。

 

シャバ デュビ デュッパ シャビ デュバ ♪

シャバ デュビ デュッパ ランララン ♪

 

眠っていた遺伝子が作用したかのように、作業をしている僕の躰は一気に軽くなった。そう、要は浮かれているのだ。

 

シャバ デュビ デュッパ シャビ デュバ ♪

シャバ デュビ デュッパ ランララン ♪

 

音の記憶が蘇る。

 

子供の頃、わざわざ早起きしたり、ちゃちいラジカセに録音したりして、僕はこの曲を、何度も何度も聴いていたのだ。

 

そして、ふと我にかえる。

 

… あれ? これ、なんの番組だったっけ…???

 

 

 

ニュース番組を流し見ながら、夕食を食べ始める。頭でフレーズは鳴りつづけるのに、その番組名は出てこない…。

 

… ???

 

検索すれば出てくるだろう、と思いながらも、なぜか僕は、自力で思いだすことに、こだわっていた。音の記憶が驚くほど鮮明だったからだ。

 

あの、ちゃちいラジカセから出る、ハイ上がりのブラスの音…。

 

 

… あっ~! カリキュラマシーン!!

 

 

 

… イヤぁ~、なんかスゲ~!

 

わずか40秒のタイトル音楽に、どれだけ詰まってるんだろう。

 

つんざくようなブラスで始まって、何ともいえない間のブレイク、「シャバデュビ デュッパ」のところは16拍子なのに、サビの「ラ~リ~ラ~」のところは2拍子だよ。(笑)

 

… えっ、宮川泰…??

 

この曲を作ったのは、「宇宙戦艦ヤマト」の宮川泰だった。今回、youtubeを見て、僕も初めて知った。

 

… 昔は、贅沢だったなぁ~~。

 

 

平日の早朝放送してた、謎の子供向けクレイジー番組「カリキュラマシーン」。変な番組だった…、ような記憶はあるけど、音楽以外、内容は定かに覚えていない。

 

で、動画があったので、見てみよう。

 

 

… ハハハハっ~!

 

五十音のウ段「うくすつぬ ふむゆるう ~」がテーマらしいんだけど、なんか久しぶりに爆笑したよ。(笑)

 

「子供向け」と称して、こんな番組が早朝からやってたなんて、スゲーな、この頃のテレビ。こんなに真剣にバカやってる大人、いないよね~、藤村俊二のキレが絶品!

 

… 昔は、贅沢だったなぁ~~。

 

 

 

謎の子供向けクレイジー番組「カリキュラマシーン」

 

当時の僕は、このテーマ曲を狂ったように、何度も何度も聴いていた。その「音の記憶」が今も鮮明に残っている。

 

あらためて番組を見てみると、当時の大人たちが、テレビで何か新しいことをやろうと、ギラギラしているがわかる。

 

デジタル音楽にコンピューター・グラフィック…。

 

手軽に何でもできる今の時代、テレビはなぜ、こんなにつまらないものになってしまったんだろう。

 

真剣に「製作」している大人は、いるの…?

 

テーマ曲にリバイバルを選んでるようじゃ、ダメだよね。

 

 

 

<おわり>