夢の中でわたしは家に帰っていた。


しかし一晩も待たずにこちらへかえるといい、


気づけば飛行機の時間をとんで現在の寮のベッドで目覚めていた。



目が覚める寸前、おばあちゃんに会って


こちらへ発つ前に強い態度をとってしまったことを謝りたいと思っていたのに、


すっかり忘れていたことに気づいた。


また今度うちに帰れるまでどれ程こちらで苦しい思いをしないといけないのだろうかと、


絶望的な気持ちになる。


寝る前の深夜に母とラインしたせいだろうか。


私がこちらの教授に授業を抜けるための嘘をついたことを発端に


私の中で各方面への罪悪感が膨らみ、

全てがうまく行かなくなっていることも、


こういう致命的なミスを犯す夢の契機になっているのかもしれない。


一緒にこちらへ来た仲間の日本人たちとMBTI診断をする流れになって、


私は仲介者だった。


しかし仲介者にもいくつか種類があるようで、


私の場合、精神状態がいたく不安定なタイプなようだ。


1人の仲間の男は同じく仲介者であるが、


精神状態がとても安定しているタイプで、


もう1人の少女は全く別種の主人公。


そんな彼女はいわゆる外交型で、いわゆる陽キャと呼ばれる人種だ。


彼女自身が人を陰キャ陽キャと区別するため、


彼女を陽キャと識別するのは、彼女にとってむしろ好意的に捉えられるはずである。


そこからも察せられるかもしれないが、


彼女の発する言葉は我々仲介者の者とはひどく違い、


羽のように軽く、聴いているこちらがその言葉を補足する前にツルツルと流れていってしまうがために

危機感すら覚えるほどだ。


人間が違うのだから仕方のないことであるが、


彼女の解釈が自分たちと

微妙であるが致命的なズレを含んでいるとき、


私と仲間の男はとても複雑な面持ちになってしまうのである。


 ところでこの仲間の男は私のことをえらく買ってくれているらしい。


その理由を彼は、


私がとても優しく心が綺麗であるからだといった。


この世界はあなたみたいな心の持ち主が心のままに絵を描ける世界であるべきだと。


しかしながら、私の心は全く綺麗ではないのだ。

むしろ穢れにまみれているのではないかと疑っている。


私は他人の不幸が楽しい。


でもそれがバレてはいけないから、同情を眉に纏わせて大丈夫かと声をかけるのだ。


だって、私は他人の助けなしに全てを完遂できるほど


能力や知能が高くないから。


もし嫌われてしまったら、誰も助けてくれなくなる。


だから頑張って努力して優しいふりをする。


本当に心が綺麗だったら、


こんな打算的な考え方をするはずがないのだ。


しかし自分に余裕がなければそのような演技は続けられない。


自分に余裕がないのに 


他人に自分がどう思われるかを操作しようとすると、嘘を吐くことになる。


そして、嘘を隠すための嘘をまた重ねてしまい、


最後は自分に扱いきれなくなってボロがでる。


全てが露呈し、何もかも失ってしまう。


そこから何とか助かりたいと思い本当のことを打ち明けようと決めたのも束の間、


嘘をついた相手と顔を合わすのが恐ろしくて仕方がなく、


結局逃げることを選んでしまう。


こうして失うものが増えていく。


二度と親しみを持って話すことのできないひとが増えていく。


 どこまでの迷惑を許してもらえるのかと


人を試すような気持ちも棄てられない。


むしろ誰か早く私を叱ってくれと願っているようにも思う。


 私はゴミを拾って作品をつくる。


目につくもの全てが私にとってなんらかの可能性を示してくる。


道端に落ちたイヌの糞でさえ私のセンサーは感知する。