飲食店でのサービス、いらない一言でいきなり印象がかわる。
某銀座の老舗スペイン料理屋でのこと。(『』内は店員の言葉)
頼んでたパエリアがきたときに、俺が「すみません、アリオリソースをください」っていたときの店員の言葉。
『当店ではイカ墨のパエリアにしかアリオリソースはお出ししていません』
何回も来ていて初めて言われた言葉。プラス、お前何も知らんのか風な感じも含まれ、とっても感じ悪く、本当にはぁ~と思った。
そもそも、アリオリソースにはまったのは、この店に一番最初に来たときに当時の店員さんから、お好みでどうぞといってだしてもらったのがきっかけ。
だから、アリオリソースがイカ墨以外のパエリアに合わないっていうのなら、昔は合わないものを勧めていたのかってと思う。
『アリオリソースは、イカ墨のようなパエリアには合いますので』
あのねイカ墨のパエリアだろうが、魚介のパエリアだろうが、おれはアリオリソースが好き。好きだから頼んでいる。あんたの好みは聞いていません
そのまま店員にいったら、あきらかにふてくされていってしまった。
あ~あ。あの店員にいわなきゃよかった。感じのいい店員さんもいたから、そっちの人に頼めばよかったな~なんて思うし、同席者もぎこちなくなってそれまで楽しく飯食ってた雰囲気もぶち壊し。
お会計のときに、感じのいい店員さんが、フォローしにきてくれたがなんかずれている。
『気分をわるくしてすみません。うちのオーナーの方針で、肉のパエリアとかイカ墨のパエリアには付属でだしているんですけど、言っていただければ出しますので』
フォローしてくれているのには感謝はします。
でもね、品出しのときに同時に出せって言っているんじゃないのよ。頼んだら、普通にだしてくれればいいだけなの。それを、うちはイカ墨の・・・とかいらない一言があったから、怒りの感情が含まれたかもしれないけど、あくまでも思いのたけを述べただけです。
帰りがけにも、『次はパエリアをお出しするときには、同時にご提供させていただきますので』だってさ。
だから別にね、おれはいらない一言に怒っているだけで、特別扱いみたいなのはいらないの。
きっと、ホールの店員のなかでは、クレーマー扱いされているんだろうな。あの人たちは状況を知らんから、あのむかつく店員の言葉だけが真実だから。。。
ちょっと前に、ガイアの夜明けだのカンブリア宮殿だので飲食店で働く人を確保するのが厳しいということがテーマにされていた。
(ガイア:さくら水産 カンブリア:千房を特集していたと思う)
飲食業で働くことは時間的にも肉体的にもきつく、賃金もそれほど高くはない。
だから、優秀な人を確保するのはとても難しいという。
しかし楽しく食べている雰囲気を感じてそれを壊さないようにするなんてことは、優秀とかとは関係ないことだと思う。外食業で働く以上、そんなことは基本の基本でしかない。それができないようなら、自分には外食業で働くことはむいていないと思ったほうがいいだろう。
高度経済成長期の日本では『外食=楽しいもの、特別なもの』というものだったといわれる。
いまではさまざまな業態の外食業が存在するだけに外食はそのころに比べると、普通なものになり、以前有していた特別なものという感覚は、一部の高級フレンチ等を除くとなくなってきている。
しかし、『楽しいもの』という感覚はいまでもきちんと存在するものである。
だからこそ、そんな楽しい雰囲気をぶち壊すってことは、くそまずいものを提供するということと同じくらい、飲食業にとっては絶対悪だと、個人的には思う。