記事より~

みすず監査法人(旧中央青山)の京都事務所(京都市下京区)は28日、7月に京都監査法人として独立すると発表した。公認会計士など200人程度の職員を抱える中堅監査法人が誕生する。監査業務が煩雑化し、中堅同士の合併が相次ぐなかあえて独立を選択したのは、カネボウなどへの監査体制で問題が指摘された旧中央青山とたもとを分かち、信頼を回復する狙いとみられる。

 みすずの京都事務所は独立意識が強く、他の事務所との人事交流も少なかったという。旧中央青山の東京地区が担当したカネボウの監査で、粉飾事件が表面化。監査法人を変更する企業が相次ぐ中、京セラや任天堂、日本電産は引き続き一時会計監査人として京都事務所を選任した。

 こうした企業の信頼があるため、京都事務所は独立に際し「信頼できる仲間の会計士だけで再出発したいと考えた」(関係者)ようだ。みすずの提携先である米大手会計事務所、プライスウォーターハウスクーパースとの関係も継続できそうな見通しであることも、独立を後押しした。


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旧中央青山(みすず)の地区事務所において、日本を代表するBIGクライアントをもっていることを背景にもともと独自路線をとっていた感の強い京都事務所。その独自路線は、京都事務所の東京サテライト事務所を設立するなんて話があったほど。これは京都という土地柄なのか、京都の地区代表社員の考え方なのか。



今後独立し「京都監査法人」となった際のPWCとの関係は、従来のメンバーズファームという関係よりもよりも弱い関係になるそう。

通常、大手監査法人は外資系会計事務所のメンバーズファームに属し、海外業務等をおこなっていく。そのため、監査を行うにあたっては属しているメンバーズファームのマニュアル等に準拠し、業務を遂行することになる。こうすることで、日本で行われる監査(大手監査法人が行う監査)が国際的に通じる方法をとっているとの証になるためである。(レジェンド問題とは、ちょっと異なるのでここでは触れず)



誰もがわかりやすい話でいくと、通常メンバーズファームに属する場合、名刺の表面は「みすず」等、日本における監査法人名が記載され、裏面はメンバーズファーム名が英字にて記載される。が、「京都監査法人」はそれが記載されなくなる。

実質的な面、研修制度・監査を行ううえでのマニュアル等、その他においてはPWCとどれほどの関係を有してやっていけるのかはまだ未確定のよう。提携関係が弱くなるのだから、PWCから以前ほどの協力はしてもらえないと考えられるため、今後は京都監査法人が独自に開発していかなくてはならないのか。会計基準等が劇的に変化している御時勢だけに、情報を逐次中規模の監査法人がキャッチアップしていくのは、なかなか困難であると思われる。



またPWCの完全なるメンバーズファーム(というか、日本法人)であるあらた監査法人も大阪事務所を有しているだけに、新規のクライアント開拓にあたってはバッティングしてしまうおそれも。果たして今後の展開はどうなるのか。