ブログネタ:小学校の友達今も仲いい? 参加中
銭なしの呑んだくれどもで満員の上野の[かぶらや]で、会長ことIT業界労使闘争男と飲んだくれていた夜、翌日は休みであった。
[明日どこ行ったらいいもんだかねぇ?]
[高尾山でも行けば?]
何の考えもなさげな発言だな★
この男、小学校のスキー教室では同じ班だったが、一度も同じクラスになったことがないにも関わらず未だに縁が切れぬ不思議。
しかし、この前[府中の森 芸術的競馬場]にぷらりと行ったばかりでまた京王沿線かよ★
あの後、今に至るまで競馬場に行きたい衝動に一度も駆られないまま、中山2開催を完全にパスして、戸崎のいなくなった南関東の動向も気付けば日々に疎し。
なぜ競馬場に脚が向かないのか?
不明。
行く気が起きないとしか言いようがない⇒いわゆる機能不全。
おそらく極限的なストレスから逃れるために、自分のペースでいられる唯一の空間だった競馬場を、負の空気で使い潰していたのだ。
競馬に無関心になることで、べとべとに澱んだ手垢から競馬場の空間を守ろうとしていたのかもしれない。
中央通りのマックで茶をしばいて、山手線の終電に向かってDashする会長とおらさばして、定宿のカプセルホテルに向かう。
国道4号昭和通りの一本アメ横寄りにあるカプセルはとにかく安い⇒2500円くらい。
新聞片手に歩いていると、不忍方面の多少いかがわしい深夜の不夜城から、客引きの兄ちゃんが人懐っこい顔で近付いてくる。
[おっ、それなんすか?競艇っすか?]
[競馬だよ]
ニヤリと振り返りつつ、興味なくしてても新聞は持って歩いてる自分に今さらのように気付く。
[今度の試合、何来そうっすか?]
[ん~?…トーセンラーかな]
毎回書いてるように、トーセンラーという奴はわかりやすいくらい直線平坦しか走らない。
その平坦ローカルですら勝ち星から遠ざかり、休み明け、武豊さん…人気になる要素は薄い。
しかし、下級条件で今年の武豊さんの騎乗を見ていればわかる。
掛かって、前が詰まり、終い垂れていた去年とは一変している。
一言で、キレる。
今の武豊さんが乗って、下り坂で加速できる京都の外回り2200は絶好の舞台。
ここで走れないようならどこで来る?
[武豊っすか?じゃあ自分それ買いますよ!]
キレに切れた京都記念の武豊さん。
兄ちゃん、調子いいこと言ってたけど…
本当に買ってたらいい小遣いになっただろうな★
地下の大浴場でひとっ風呂浴びて、ロビーでかっぱえびせんを食いながらビールを飲み、吉行淳之介の短編を読む。
この作家の筆致は、乾いた表情でウエディングケーキにサクサクとナイフを入れて行くような不思議な感触。
そんな切れ味によって描き出された世界は、窓の外に見える御徒町のやさぐれた夜景と妙にシンクロする。
吉行淳之介…最近あまり読まれていないのがもったいない作家だ。
ここのカプセルはエロいチャンネルも見放題…
だけど、こんな場所で見放題だからって、どうするんだよ?と毎回苦笑いしつつ、いつのまにか爆睡。
翌朝、富士そばでもりを啜り、電車に乗る。
そして気付いたら、新宿駅の地下ホームから京王線に乗っていた。
なんだかんだでやっぱり自分は京王線沿線の風景が好きらしい。
特に国道20号甲州街道の烏山からつつじヶ丘辺りの風景は、走ってるだけで自由の風を感じるられるほど気持ちいい。
今度の準特急は京王八王子ゆき。
高尾山に行くには北野で乗り換えることになる。
笹塚の手前で地上に飛び出して、高架線から見える街並み。
競馬もやってない平日に乗る京王線は、自分にとっては一種のパラレルワールドみたいなものだ。
風景も客層の半分も同じなのに、眺めている気分は決定的に何かが違う。
地下になった調布を過ぎ、今日は降りる用事のない府中を通過して、多摩川を渡り聖蹟桜ヶ丘の辺りから、丘陵が迫ってくる。
そういえばそろそろ梅の季節だけど、百草園の梅は咲いただろうか?
さすがにまだ少し早いかな。
高幡不動を出て、爆走する準特急が北野に滑り込むと、向かいのホームに高尾山口ゆきの各停が停まっている。
準特急だったらめじろ台と高尾しか停まらないのだが、急ぐ旅でもないし、各停ののんびり具合も悪くない。
高尾から単線になって、寄りそう道路の方も、30㎞制限のそこら辺の田舎みたいな2車線道路。
信じられないことにこれが国道20号。
高尾山付近から笹子トンネルを抜けて勝沼に入るまで、とても一級幹線とは思えない貧弱な道路がひたすら続いてゆく。
中央道トンネル崩落の迂回路としてよく機能したもんな。
高尾山に来たのは…たぶん仕事で何年か前。
職権でリフトにタダ乗りして、上まで行った。
その辺でほっつき歩いただけで、山頂はおろか、中腹の薬王院にすら行かずに降りて来た。
今回は金払ってケーブルカーに乗る。
八王子市街の続きのくせに、駅の飲料自販機は観光地価格の130円。
ふざけてやがる★
前回は超満員だったケーブルカーも、今回の客は自分を入れて2人。
2月に来る物好きもそう多くはないということか。
日本一急なケーブルカーはのろのろと山腹を這い上がってゆく。
この前首都圏を大混乱に陥れた雪が、まだ残っていた。あるいは平地では降らず、高尾山系には何度か雪が降ったのかもしれない。
上に着いて、煙草を吸い、そして歩き出す。
緩やかな坂道は、まさに絶好のハイキングロードという感じで、これ以上坂が急でも緩くても成り立たない手頃感。
紅葉の季節に人が大挙押し寄せるのもわかる。
煙草のせいで、あっという間に息切れしてくるが、かまわず歩く。
この程度の山道で呼吸にこたえるのがつらい。
何がつらいかって、これほどボロボロに痛めつけられた自分の体を感じながら歩く孤独。
飛べない翼を引きずって自由をさまよっても、どれだけ風を感じることができるのか?
この前、桶川を通った時に、例のストーカー殺人事件の駅前を見て、頭が真っ白になり、深いため息をついた。真っ青に晴れた空が、潤んだ眼で濁る。
人は徒党を組むとどんな形で暴走するかわからない。
そしてとことん自分の思い通りにしなければ気が済まなくなる。
許せないのは、犯人のストーカーは、一味の連中に被害者を殺害させた後で、自分は北海道に逃亡して自殺しやがったことだ。
行き着く所まで行って、生きる目的の全てを失ったということかもしれない。
だが、そいつには最後まで、殺す自由も、自殺する自由もあった。
警察もそれを助けたようなもんだし。
自由を奪われた日常。
最後まで出口の見えない孤独の中で闘っていた被害者。
心から自由の風を胸に吸い込む日が来ることを待ち望んでいただろうな。
桶川駅前のまぶしすぎる空が、自分の内側に痛烈に突き刺さる。
そんなこと思い出しながら、翼を引きずって、雪解けでドロドロの道を歩く。
自分の足で。
例えボロボロでも、自分には山を歩く自由がある。
といううちに、薬王院の参道に差し掛かっていた。
真言宗の寺なのか…
というか、薬王院というのが寺なのか神社なのか、今初めて知ったわけなんですが★
手水を使い、六根清浄と唱えながらくるくる回すやつをやって、ご利益があるらしい謎のゲートみたいなのをくぐって、本堂に参拝。
何かを願うでも祈るでもなく、頭を真っ白にして手を合わせる。
諸堂をくまなく巡り、最後のお地蔵さんみたいな所で参拝していたら、寺の法被を着たお父っつぁんが下で参拝が終わるのを待っている。
こんにちは、ご苦労様です、と声を掛け合い、振り返ると、お父っつぁんは手に提げた袋に賽銭を回収するという仕事をしに登って来たのだと判明。
少々生臭い現場を見たものの、これもなかなかに重要な任務だ。
息を切らしながら、さらに登り続け、気付いたら山頂に着いていた。
案外、20人くらい人がいてびっくり。
見渡す限りの関東平野…とはいかない曇天だが、多摩辺りの風景はよく見える。
冷気が気持ちいい。
[ラムネ100円]の貼り紙を見つけて、売店のおばちゃんに声をかける。
[ハイハイ、ラムネね…え?100円だけ?]
[100円って書いてあるけど?]
[ちょっと~、ラムネ100円なのぉ?]
[あ~、売り切ろうと思って値下げしたんだよ]
店の内部ですら意思の疎通ができてない商品を売るってどうなんだ?
ラムネを飲み、東京都下の街並みを眺める。
そして元来た道を降りる。
高尾山にはいろんなハイキングコースがあるけど、ほとんどの道が雪靴仕様でないと通れない状態だから仕方ない。
薬王院を過ぎ、仏教のことで彼女の言ったことにひたすらキレまくって、同じ台詞を吐いている男の横を通りすぎる。
[あの発言は絶対許さないからな…あれは絶対許さない…絶対許さないぞ]
真剣なのはいいけど、ここまで来るとちょっと気味悪い。
仏さんってのは、あんたが怒るほど、そこまで偏狭なものなんだろうか?
帰りはリフトにしてみる。
下りのリフトというのは滅多に乗らないけど、なんかタマがすくむ感じの妙な恐さがある。
揺れるし、寒い。
切り裂くような冷気が汗ばんだ膚を刺す。
このリフトが1㎞以上。
とりあえず落ちたくない感満載の状態でケツを移動して支点のバランスを取り、椅子に両手でしがみつく。
どうにか下界に帰り着き、ボロボロの体を引きずって高尾山口駅に歩く。
帰りの京王線、新宿まで爆睡。
しかし眠りながら、気付いた☆
体中の血流が異様に良くなっている。
そして、この日を境に、ボロボロだった体調が一変した。
旅支度を始めたのは、その直後であった。
このメンバーならGⅠ2勝のグランプリボスで鉄板なはずだ。
カレンブラックヒルよりも底力で勝る。
まず負けない。
問題は乗り代わり。
毎回書いてるように、グランプリボスという馬は、腕っ節の強い騎手がギチギチに抑え込んで、最後にぶっ放す乗り方が合っている。
内田博は適任だと思っていたのだが…
マイルCSをちぐはぐな競馬で取りこぼし、香港マイルで大敗。
詰め腹を切らされたということか。
浜中という騎手は、典型的な差し追い込みタイプで、例えばエーシントップみたいなスピードの勝った馬にはたぶん苦手意識がある気がする。
逆にハナズゴールなんかは完全に浜中と手が合う。
同日に2頭かち合って、ハナズゴールを選び、結果エーシントップは内田博の南関仕込みの先行術で1着、自分は4着という、見た目泣くに泣けない状態になった訳だが、ハナズゴールに1400は忙しすぎて、追走した分だけ切れが削がれたということだろう。
西園先生を激怒させても、自分に手の合う馬の可能性を選んだ浜中のプロ魂を感じる一幕だった。
そんな浜中が乗るグランプリボス、行けば行けるスピードのある馬を、抑え込んで差し馬にして来たこと考えると、正直手が合うのかわからない。
しかし、浜中は天性の当たりの柔らかさで見事に見る者を驚愕させてくれた。
なんとあのグランプリボスで、中団で[なだめて折り合っていた]のだ。
うわ~やっぱりカレン強いのか?と一瞬思ったけど、馬を全く力ませずに直線に向いたのだから、詰めで底力の違いが炸裂!
昨年リーディングに久々のGⅠ勝ちも伊達ではない。
浜中俊に脱帽。
対して内田博も府中で角居厩舎の一番人気にちゃっかり騎乗していた。
ケツから行くか?
しかもそこからまくるか?
しかし内田博の騎乗には何の迷いもない。
勝つのは当たり前。
府中でこの位置から動いてどの位の脚を使えるかを図っていたとしか思えない。
その位、馬の能力を信頼していたということだろう。
戸崎の中央入りに、間違いなく内田は触発されている。
マカニビスティーで戸崎がハナ差叩き負けた羽田杯。
中央入り直後の内田が、戸崎に対して変わらぬ存在感を見せつけたように、最も戸崎を意識して立ち塞がり続ける。
そして戸崎は2着。
魑魅魍魎の南関東で鍛え上げられた王者2人、中央に在ってもやはり只者ではない。