whocoのブログ

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私たちがこっそりとカーテンの閉まった部屋で そっと目を閉じたのは

どこかの家の暗闇で、
ゴキブリがそっと羽根を広げ飛び立った瞬間、
パサっと羽のすれる音が聞こえるくらい
それはそれは静かな夜でした。

それから1ヶ月もしないうちに
彼のメールからはが消え、
2秒で読破できるわけであって
スクロールボタンはもうここ3ヶ月間くらい使っていないし
電話もしないので3日間充電しなくてもいいという状況。

一緒にいるときといえば
一緒にいるとはいえども、
最近では背中しか見ていない気がするし
声もあんまり思い出せない。

「あのね、」と私が言うと
一度だけダルそうに途中まで顔を向ける。
で、少ししてから
まるで、「チョット待って今電源入れるから」というように、
やっと彼の耳と目の配線が、体に繋がって
私の為に機能し始めるようだった。
いつも私は黙ってその時間をぐっと耐えるのだ。


私はいつの間にか彼の盲点を見つけるのが得意になった。
彼の盲点に隠れては少し怒るの。
そしてたくさん泣いたわ、この5年。

盲点って本当に不思議よね。
そこに私はいるのに、本当はそこにちゃんと居るのに
存在を消しちゃうんだから。

それに、もっとすごいのは、
そこに無いものを、都合のいいように作り上げちゃうところ

私は彼の盲点に住み着いて
彼は都合よく、ワタシを消したり
都合よく私を見つけたり
作り上げたり


彼は私がマニュキアを塗ると臭いというので
私はそれ以降1度も彼の前でぬらなかったけど、
彼は1時間おきにタバコ1本に火をつけて、吸う。
私の方は、タバコ1本から出る煙を全部吸い込んで
肺がチョットずつ黒くなったことを

彼は知らないし、気にしない。


でも大丈夫

私はそんな気持ちを毎朝取り出して
ミルク砂糖を一緒にミキサーに入れて
ゴーゴーと爆音を立てながらごちゃ混ぜにして
一気に飲み込んじゃうの。

それから味気のない私の顔は2時間かけて
人前で歩けるように仕上げる必要があるんだけど、
いたずらな雨で2時間分の作業は一瞬で流れ落ちる

責任を取らなくても良い
というシステムになっているので
それでいいのだと言い聞かせ、
崩れた顔で駅へと向かう。

こんな日に限って電車やバスはなかなか来ない。
待って待ってやっと来たときに、
老人が財布から小銭をちゃりんちゃりん
ばら撒きよった。
一瞬迷ったけれど、拾っているうちに
電車はシレっと行ってしまう。
こんなに待っていたというのに。

電車やバスや、時間という物は
私が遅れた場合は決して待たずに
顔色一つ変えずに去っていくという制度をとっている。
なのにもかかわらず誰一人文句を言わず従うとは
全く良くできたもんです

それはつまり
私は必要としているけれど
向こうは私を必要としてないということの証
であって
大変わかりやすいです。


そして、ついに彼も

顔色一つ変えずに
去ってしまった。


私は彼の盲点という住家を無くしたので
行く当ても無く
空港へと向かいます。


片道切符で十分です。
帰る場所などないのですから。


重力で体全体がシートに埋まってしまいそうな感覚が好き。
私はいつも半分だけ液体の入ったペットボトルを
肘置きに乗せて、機体がどれくらい傾いているのか確かめないと
気がすまないのです

そっか・・、雲の上はいつも晴れ・・・

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と、彼女は永遠に広がる雲を見降ろして、
こっちでは終わりを、あっちでは始まりを知らせる
大きなアツい球体の後ろをゆっくり瞳で追いかけた。


しばらくすると足も手も鼻もスッと綺麗に伸びたFA
窓のシェードを閉めるようにと
小説を読んでいる私に声をかけてくる。

右ひじの辺りにある照明のスイッチ
ポチっと押して、
ポチっと顔が照らされて
ポチって消した。
約3秒。

隣の人に光が漏れてしまうのには気が引けたし
あのスポットライトは、
全員がこっちを見ているような気になるので
そわそわしてしまうのです。

と私が地上2100メートルを飛んだくらいに、
その真下の家で飼われている毛の生えてない犬


人間独特価値観
犬独特価値観全否定したのち、
家を飛び出す。



私は泣き疲れたせいなのか
うとうとし始めて、
気づいたころには飛行機は前方に傾き始めた。

まるで両端で支えられてた板の片足が
すとんと片方だけ抜けて、傾いて、
するするするする転げ落ちるような感覚になって

「お客様」と声を掛けられて
に返ろうとしてみたものの、
今度は「」は私が居ないうちに逃げ出したらしく
帰る先がみつからないのであります、私の

ここで待っていたのなら、
「我」は戻ってきてくれるのでしょうか。

暗闇のゴキブリは羽をしまい、
毛の無い犬はお腹がすいて家に戻り
雨は止み
電車は時間通りに走っていますが
「我」は戻ってきてくれるのでしょうか。

と考えたときに
私と言う魂は、
涙をこらえ
彼の盲点の心地よさを思い出しているのです。




おわり。



















“ 盲点 ”
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左目を閉じて(手で覆って)クダサイ。
右目で左のをしっかり見てください。
その時右の●にも少しだけ意識してください。
前後、または左右にゆっくり画面を動かすと
右の●が消える場所があります。パって消えます。

そこが盲点です。

今度は、少しレベルアップ。
同じようにミテクダサイ。



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左側のが盲点に来たとき、丸は消えるのに
線が縦に繋がって見えませんか?


そんな実験を昔本で読みました。

「脳」って、

実在するものを消したり
無いもの作り上げたり

おもしろいですね ♪