この前のブログでは書けなかったが、ハルさんが亡くなった一年前のあの日・・・・・・
真美さんとKが帰国していた。
もちろん、息子Tも一緒に・・・家族3人で久しぶりに過ごしたそうだ。
お墓参りにも3人で行ったそうだ。
この日だけは誰も水をさすこともなく・・・・・・・
その次の日は、美香さんと俺と真美さん3人で少し会って話した。
ハルさんが亡くなったあの日、息子Tが発した言葉が今も忘れられない・・・・
「父さん・・・・なに寝てんだよ!起きろよ!俺はまだ何一つ父さんを越えてないんだぞ?・・・・・・」
冷たくなっている父親に息子Tが発した言葉だ。
そんな息子も父親の死を乗り越え、元気に社会人として頑張っている・・・
そんなことを話して俺は真美さんと美香さんと、ハルさんのことを思い出していた。
そして真美さんと美香さんに、息子Tの近況を話していた。
実は息子Tは、社会人一年生目でいろいろな壁にぶつかっていた。
詳しくは話せないが・・・・・・自分自身の価値・・・・
まぁ、そういったことで精神的に弱くなっていた時期があった。
俺は若い頃の自分の話をした。
俺は全てを捨てていた時期があること・・・
ハルさんに拾われたこと・・・
いろいろなことを教えてもらったこと・・・
天涯孤独だった俺を家族のように扱ってくれたこと・・・
俺は若い頃・・・・・何度もハルさんに殴りかかったことがある。
気に入らなかったり、納得できなかったり、理由はいろいろだ。
でも一度だけハルさんを本気にさせてことがある。
俺は自分が価値ある人間だと思ってなかった。
正真正銘のクズだと自覚していた。
何度も自暴自棄になったことがある。
その中で一回だけハルさんを本気にさせた。
いつも本気で相手をしないハルさんに苛立って、
「一度くらい本気で俺のこと殴って止めてみろよ!」と、俺はハルさんに言ったことがある・・・
その時の話。
ハルさんは俺の拳を一度も裁くこともせず、防御することせず、避けることもせず・・・・・
俺の拳を全て受け止めてくれた。
俺が十発くらい殴ると、ハルさんが一発殴り返してくる・・・
ハルさんはフラフラになりながらも何度でも立ち上がってくる。
俺はハルさんを・・・この人を・・・・・・本気にさせたくて力の限り何度でも殴った。
でも・・・・ハルさんは・・・・まるで壁。
破壊できない頑丈な壁だった。
信じられないくらいタフで・・・・
ハルさんを水に例えた話をブログで書いたが、まるで大瀑布のような滝の壁・・・
そして今思い返してみると、俺を守るためでもある壁だったようにも思える。
俺の十発に対して一発返してくるだけのハルさんだったが、最後には・・・・・
ハルさんの五、六発のラッシュが来て俺は動けなくなった。
今まで殴られた事の無いような、初めてのすごい衝撃だった。
ハルさんが本気になったのが分かった・・・・・これがハルさんか・・・・
俺はハルさんのすごさを知った・・・
でも何でハルさんが俺に何十発も殴られて、倒れずにいられたのか分からなかった・・・・
そんなことを考えながら、動けなくなって空を見上げていた。
初めて動けなくなるまで殴り合った・・・・
しかも相手はハルさんで・・・・・ハルさんが俺に付き合ってくれた。
こんなクズみたいな俺に。
俺はハルさんと殴り合って動けなくなって・・・・・・どこか心がスッキリ晴れていた。
こんなことに付き合ってくれる人は・・・・・・ハルさんだけだと思う。
俺はそれが、すごく嬉しかったのを覚えている。
しかも俺のために本気になってくれたことが、たまらなく嬉しかった・・・・・・
俺はハルさんに「何で倒れないんだ?」って動けなくなったまま聞いた。
するとこんな言葉が返ってきた・・・・
「今おまえを守るために壁になることが拙者の価値だから・・・・倒れるわけにはいかんがな・・・・」
俺は自然に涙が溢れた。
いや涙を抑えることなどできなかった。
そしてハルさんが話始める・・・・
「なあテツよ。自分自身に価値がないなんて思うな」
「ただ今は自分の価値が見つけられてないだけだ・・・焦る必要なんかねえ」
「ゆっくりでいい・・・・・・一人でそれができないんだったら拙者が一緒に手伝ってやる!」
「だから・・・・・・・あきらめんじゃねぇよ!」
そして最後にこう言った・・・・
”自分自身の価値は自分自身で探し出せ!”
こう言った・・・・
今も忘れられない言葉だ・・・・
そして「おまえアバラ折れてるぞ・・・・一緒に病院行くぞ!」と・・・・・
二人してハルさんが運転する車で病院へ行った。
こういった話を息子Tにした・・・・
黙って俺の話を聴く息子Tに、俺はこう言った・・・
”おまえの父親が俺に言った言葉だ!”
”今度は俺がおまえの父親の言葉を、おまえに伝える番だ!”
そして・・・またTは前に進みだした。
こうしたことを真美さんに話した。
真美さんは”ありがとう”とだけ言って安心した様子だった。
笑顔を浮かべ安心した様子の真美さんの顔が今も忘れられない・・・
そして俺の不思議な体験を話したのだが・・・・
とても信じられない話で・・・・俺自身未だに信じられないでいる。
今から二ヶ月くらい前の話で・・・・たぶん誰も信じちゃくれない話。
ばったり、ある人と出会ったことから始まる話。
その人は名前は明かせないが、仮にGさんとして話します。
このGさんは、俺も知っている人で、
もちろんハルさんや真美さん、美香さん、宗二さん、そして葵さんのことも知っている人物。
地元の人だが、出張が多くてあまり会うことがない人だ。
でも学生のころからハルさんと普通に友達で、葵さんの死も宗二さんの死も
その後ハルさんが真美さんと結婚したことも知っている人物。
でもハルさんが不自由な体になったことも、亡くなったことも知らない・・・
ハルさんが亡くなったとき、海外で出張中だったからだ。
俺は、そのGさんと名古屋市内で、ばったり会って話したときのことだ。
そのGさんが・・・・・今年の四月に愛知県のとある場所でハルさんに会ったというのだ!
しかも喫茶店で2時間ほど会話したというのだ。
俺はとても信じられなくて、ハルさんの兄トクさんか、ハルさんの双子の兄トシさんだと思った。
それはハルさんに見分けがつかないほど似ているという理由だ。
そして俺はGさんにハルさんが去年亡くなったことを伝えた。
Gさんは、びっくりして・・・・・そのままその場で話し込むことになる・・・・
あらかじめ言っておくと会話の内容からして、間違いなくハルさんで・・・・
Gさんも会話の内容からして間違うことはないと断言した。
Gさんに声をかけてきたは、ハルさんの方だった。
「よう久しぶり!元気にしてっかGちゃん!」って話しかけたらしい。
Gさんも「ハルちゃん!久しぶりだなあ!元気にやってんのか?」と答えたらしい。
そして喫茶店で話そうということになり、コーヒーを二人ですすりながら会話したそうだ。
それは、たわいもない会話で・・・・・・特にめずらしい会話の内容ではなく・・・・
ただの世間話だった。
ただ気になったのは、その会話の中で・・・・
「真美には感謝している・・・・息子も娘も大きくなってさ・・・・今では拙者は見守ることしかできないし・・・」
「テツに受け渡した会社も・・・テツが頑張ってるの見守ることしかできない・・・拙者は見守るだけさ・・・」
「それしか・・・できねぇからさ・・・・」
ってハルさんが会話の中で寂しそうに言ったという。
その会話の中で、Gさんがハルさんに「じゃあ、今何やってんの?」と聞くと
ハルさんは「自由にいろいろやらしてもらってるよ!」と言ったらしい。
Gさんが「いろいろってなんだよ?」と突っ込むと
ハルさんは「いろいろって言ったらいろいろやがな」と、笑って言ったらしい。
それ以上言いたがらないハルさんに対して、Gさんはそれ以上は聞かなかったらしい・・・
そんな会話をGさんはハルさんと交わしたらしい。
俺はその話を聴いても・・・信じられなかった。
それでGさんと二人で、ハルさんと会話したという喫茶店に行くことにした。
その喫茶店は、その場からそんなに遠くないので行くことに・・・・20分ほど車を走らした。
その店は小さな喫茶店で店主とパートさん1人だけの店だった。
店に入るなりGさんと二人で、ハルさんとGさんが座った席のことや当時のことを聞いた。
店主さんはGさんとハルさんのことを覚えていた。
ハルさんが、どことなく変わった雰囲気を出していたということで・・・・
店主さんは、はっきり覚えていたらしい。
店主さんの話を聴くと、行動や話し方、特徴など間違いなくハルさんで・・・・・
Gさんと一緒に店に来たことも間違いないことが分かった。
ハルさんとトクさんでは話し方が違う。
人の目を見て話さない話し方・・・・伏し目がちで遠くを見て話す話し方・・・・ハルさん独特のスタイル。
髪の色も髭の色も背格好や体格など、話し方に指の傷・・・・どれを取ってもハルさんだった。
ただ・・・・Gさんの話でも店主の話でも、ハルさんはしっかり歩いていて・・・・
体も何一つ不自由なく動いていたらしい。
Gさんは・・・・俺はいったい誰とコーヒー飲んで、誰と話したんだ?
と言い、不思議な空気が漂った。
というような話を真美さんと美香さんに話した。
美香さんは「超人的なハルちゃんなら時空をも越えてくるのかもね」と笑って言った・・・
真美さんは涙を浮かべ「ハルちゃんが見守ってくれてる・・・」と顔が見えないよう下を向いて言った。
真美さんと美香さんは俺の話を信じたようだ・・・・
俺は、ハルさん成仏できていない?とも思った。
が、成仏できていてもハルさんなら時空をも越えてくるような気もした・・・・・
真美さんは今はヨーロッパのある国へKと一緒に戻っている。
息子Tも相変わらずがんばっている。
美香さんも息子と二人で相変わらずがんばっている。
とても不思議な話を聴いた・・・・・
とても信じられないような話・・・・・
でも・・・・・・・・・・・
ハルさんがくれたプレゼントだったのかもしれない・・・・・・・・
あの人は・・・・・・・・・・・
いつでも俺たちを見守っているんだろう・・・・・・・・
でも、それだけで・・・・・・・・・・
がんばれる気がする。
最後に・・・・・・・・なぜ、この話をブログ書けたかというと・・・・・
俺自身、不思議な体験を心の底から信じることができたからかもしれない。
正直なところ何か裏があるんじゃないかと思っていた。
でも今のところ・・・・なんの裏もない。
ただの・・・・・・・・・信じることしかできない・・・・ただの事実。
もう一度だけでいい。
ハルさんと会いたい。