最近の世界情勢・・・時代が変わり始めました。

 

生前ハルさんが言っていた通り、時代が動き始めました。

 

そして真美さんは、その世界のうねりに身を投じたんだと思う。

 

今も真美さんからの連絡はない。

 

連絡できないんじゃなく、連絡しないんだと思う。

 

理由はいくつか想像はつくが憶測の範囲で、確証は持てない。

 

気がかりなのは真美さんと一緒にいるKの存在だ。

 

でも真美さんは、いざとなれば自分の命を犠牲にしてもKを守るだろう・・・

 

真美さんは守るべき者のためには、自分の命をも簡単に盾にする女性だ。

 

そういう性格を知っているから余計に心配になる。

 

真美さんは若い頃に体操にパルクールに空手に水泳、運動能力にかけては申し分ない。

 

戦っても強いし、町中を逃げる身のこなしは一流だし度胸もある。

 

バク転にバク宙や側宙はお手の物。

 

走るのも速い!今でも100mを12秒台で走り持久力もある。

 

でも、それは自分一人という前提。

 

Kを連れてそんな離れ技はできないだろう。

 

それでもKを連れて行った・・・その理由が知りたい。

 

ただKはハルさんの遺伝子を継いでいる。兄のTと共に空手もやっていた。

 

真美さんにはKを連れて行く理由があったんだと推測する。

 

どうか危険に身を投じることがないよう祈るばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

真美さんはKを世界基準の一流の女性に育てると言った・・・・・・

 

俺には世界基準も一流の女性なるものも分からない。

 

ただ真美さんは世界中を見てきた女性だ。

 

ただそれを信じるばかりです。

 

一報でいいので連絡が欲しいです・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな話をトクさんにした。

 

余談だがトクさんの左耳からピアスが1つ減っていた。

 

3つのピアスが2つになっていた。

 

どうしたの?って聞いたら、「なんか重く感じたから2つに減らした」と。

 

ピアスって重いのか?分からない・・・

 

現在トクさんの左耳にはエメラルド?のピアスが2つ輝いている・・・

 

白髪なので、なんか余計目立つ。

 

 

 

トクさんと真美さんの話をしていると、

 

「真美ちゃんなら心配いらねぇよ!」「理由はハルが選んだ女だからだ!」

 

「理由はそれで充分!」

 

こう言った。

 

たしかに真美さんは聡明で思慮深い。バカではない。

 

無茶をする時は誰かを守るときだけだ。

 

トクさんの言う通りかもしれない・・・・・・・

 

確かにハルさんの人を見定める力は群を抜いていた。

 

先見の目と、人を見る目は信用できる!

 

ハルさんが備えた力は、トクさんもイヤと言うほど知っている。

 

時代を先読みする力だってそうだった。

 

いつもハルさんの予想通りになっていった・・・・・・

 

トクさんはハルさんと腹違いといえど兄弟であり、一緒に仕事もしてきた・・・・

 

いくどとなく大きなピンチもチャンスに変えて乗り越えてきた。

 

トクさんは、”ハルの先読みがなければ何度も破滅に向かっていただろう”と言う。

 

ハルがあってでの俺だったと、トクさんは言う。

 

ハルさんは、冷静沈着なトクさんにそれほど信頼されていた。

 

そのハルさんが選んだ女性は真美さん。

 

自分の最後を任せれる女性。ハルさんが最後に選んだ女性・・・・

 

ハルさんが愛した女性で愛子さん。

 

彼女も、できた女性だったと聞く。

 

真美さんの姉でハルさんの子供を産んだ葵さん。

 

葵さんも、すごい女性だった。

 

ハルさんが選んだ女性は、みんなとてつもなくメンタルが強い。

 

ハルさんに接することで伝染するのかは分からないが、

 

少なくとも俺が知るかぎり、葵さんも真美さんも・・・

 

最初から揺るぎない自分の考えと信念を持ち、聡明でいろんな意味で強かった。

 

そして一人の女性として、しっかり自立していた。

 

そして美しかった。

 

たしかにハルさんについて行ける女性は並みではないと思う。

 

俺の妻なら無理だろう・・・そんなに強い女性ではない。

 

ハルさんの幼馴染みで宗二さんの妻である美香さんが、こう言ったことがある・・・・

 

「あたしじゃハルちゃんについて行けないから、ハルちゃんは、あたしを受け入れなかった」と・・・・

 

ハルさんは並みの男ではなかったし、並みの女性ではついて行くのは無理だろうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”ハルさんが最後に選んだ女性が真美さん”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっと・・・・これには俺が想像もできない深い理由があるんだと思う。

 

ハルさんは簡単にパートナーを選ぶ男ではい。

 

思慮深く先見の目をもってパートーなーを選ぶ。

 

ハルさんは息子に言われたからではなく、何度も思慮し考え抜いて真美さんをパートナーにした。

 

俺はもっと真美さんを信用すべきかもしれない。

 

息子Tやトクさんが言うように、どこかで真美さんを信用していなかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルさんは愛している者が笑ってくれるなら、どんなリスクがあっても全力で身を投じる。

 

妻であり、子供であり、兄弟や俺に対したもそうだった。

 

迷い、悩み、苦悩してでも、愛する人の笑顔のために・・・・大事な人の笑顔のために・・・・

 

自分を犠牲にしてでも成し遂げる人だった。

 

 

 

 

 

ハルさんが、もしいなかったら・・・・・

 

俺は今頃どこで何をしているのだろう?

 

きっとまともな人生を送ってはいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真美さんはKを連れて一緒に行動し生活している。

 

真美さんと一緒にいることを一番に望んだのもK自身だ。

 

たとえ・・・どんな結果になろうとも、仮に裏切られた結果になろうとも、

 

真美さんは必死に全力でKを守るだろう。

 

真美さん自身が愛したハルさんと、大好きだった姉である葵さんの忘れ形見である娘のKを。

 

それに真美さんになら裏切られてもいいと思える。

 

全て任せられる女性だ。

 

俺は忘れていた・・・・・・真美さんという女性の本質を。

 

すでにKは真美さんにとって大事な娘であり、Kにとっては大事な母親であり・・・・・

 

血の繋がりよりも濃い絆がある。

 

俺とハルさんのように、血の繋がりよりも濃い絆が!

 

ハルさんは俺を本当の息子のように扱ってくれた・・・・

 

俺もハルさんを本当の父親のように思っていた。

 

だから天涯孤独の俺はここまで来られた!

 

なにもかもハルさんの御陰だと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなハルさんに寄り添い遂げた真美さん・・・・・・

 

あの怪物ハルさんの最後を看取った女性。

 

そしてハルさんの忘れ形見を引き継いだ女性。

 

真美さん・・・・・

 

息子Tは既に独り立ちをし、父親ハルさんの背中を追って人生を送っている。

 

精神的にも肉体的にも強く、真美さん自身はもうTには敵わないと言う。

 

Tはハルさんにどんどん近づいている・・・・

 

とんでもない屈強な青年に成長した。

 

俺から見てもTは精神的にも肉体的にも、そこらの男より屈強だ。

 

簡単に崩れる男ではない。ほんとうに頼りになる。

 

ほんとうに、とんでもない遺伝子を残したものだ。

 

宗二さんの息子や俺の息子と比べても、全てにおいてTは飛び抜けている。

 

(宗二さんの息子や俺の息子は普通なだけです)

 

思いやりと優しさに溢れた屈強な良い青年になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルさんと葵さんの娘であるKも・・・・・

 

俺の知らない間に成長しているのだろう・・・・

 

葵さんにいっぱいの愛情を注いでもらい、

 

ハルさんにもいっぱいの愛情を注いでもらい亡き母親の寂しさを緩和してもらい、

 

真美さんにもいっぱいの愛情を注いでもらい亡き父親の寂しさを緩和してもらい、

 

兄Tに見守ってもらって・・・・・・

 

Kは・・・・・・・とてつもなく成長してゆくのだろう。

 

そして今、真美さんと一緒に世界を見ているのだろう。

 

コロナウイルスが蔓延し、経済は破壊され、紛争が渦巻き、時代が動き出した世界で・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを頭に巡らしている俺を、トクさんはしばらく黙って見ていた。

 

コーヒーすすりながら。

 

 

 

 

 

 

 

そしてトクさんが言う。

 

「なあ・・・・ハルが好きだったか?」

 

「葵ちゃんも好きだったか?」

 

「真美ちゃんも好きか?」

 

俺は全部「うん」と言って頷いた。

 

 

「好きな人に裏切られても、好きでいられるか?」

 

俺はまた、「うん」と頷いた。

 

するとトクさんが「合格!」と言った。

 

「もう信じて待とうか?」

 

「俺は信じて待つことにする」

 

「真美ちゃんも、Kも信じよう」

 

トクさんは、こう言った。

 

俺は「うん」と頷いた。

 

そして俺の表情を見たトクさんは、微かに笑った。

 

 

 

 

 

 

俺は・・・・トクさんに”信じる勇気”を教えてもらったような気がした。

 

トクさんは・・・やっぱり頼れる兄貴だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ・・・・Tの彼女のソフィア。めちゃめちゃキレイになったよなあ?」

 

「めちゃめちゃ、いい女になったよねあ?」

 

ってトクさんが言い始める・・・・・・・・・・

 

ここからは男同士の少々下品な会話になるので省きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トクさん。

 

 

 

 

ありがとうございました!