研究方法による区分

 心理学の研究においては、まずデータを得るところから始まる。その方法は大きく2つに大別される。

実験的研究法と相関的研究法。実験的研究法とは、実験法のことであり、因果関係を特定させるために変数を操作するという特徴がある。相関的研究法には、調査法、面接法、検査法、観察法がある。これらの場合では、基本的に変数を操作することはない。


 データの扱い方による区分


 実験的研究法であれ相関的研究法であれ、まずは現象をよく観察し、記述することから研究は始まる。その際、データを数量化する場合を量的研究、言語データのまま扱う方法を質的研究という。



 心理学の科学的方法論


 19世紀の世界では、科学を「自然科学」と「精神科学」に分類されるのが一般的だった。

「自然科学」とは普遍的な法則の定立や、客観性を重視した物理学や化学などのいわゆる”科学”であり、それに対して「精神科学」は、主観的、個性記述的な学問のことをを指している。精神科学の別称は、人文科学、社会科学、人間科学である。

 心理学は、自然科学であり、精神科学でもある。アメリカの心理学者オールポートは、心理学の研究は自然科学的な法則定立的研究も可能であれば、精神科学的な個性記述的研究も可能であると説いた。

 

 法則定立的な研究において求められるのは、ある現象の説明であるのに対し、個性記述的な研究で求められるのは理解である。したがって、それぞれに使用される用語も説明的か、記述的かの性質を帯びてくる。

 前者の用語は「説明概念」と呼ばれる。ボールが飛んできたから条件反射で避けた、という場合の条件反射は説明概念にあたる。なぜ避けることができたのか、という問いに対して「条件反射」客観的な論拠に基づいた説明を与えている。

 後者の個性記述的記述的に用いられるのは「記述概念」である。血液型がB型なので落ち着きがない、という場合では、B型は記述概念に相当する。しかしB型であることが落ち着きのなさに関係しているとは言い切れない。因果的な説明の役割は果たしておらず、あくまで1つの分類を表しているにすぎない。


 説明においてはある種の論拠が必要とされる。一般に、そのような論拠を求めるにあたって採択される方法は2つある。

 1つは演繹的研究法、仮説を実証するという方法である。

 2つめは機能的研究法である。多くの個別のデータを集め、共通項をくくりだすことにより、ひとつの法則を浮かび上がらせるのである。

 

 心理学においては、法則定立的な演繹的研究において、その補完のために個性記述的な研究を行うことがあり、これを事例研究法(case study method)と呼んでいる。