【今日は問いを立てるコツ】
についてお伝えします。
質問さえ自分で設定できれば
問題は解決したようなもの。
さてでは、そもそも
どのように質問を設定したら
いいのでしょう。
先日、10年以上ドラッガーについて
研究してきた人が
ドラッガーの論理展開の方法を
教えてくれました。
それによると、
1)仮説を提示する
2)対立する反証を提示する
3)反証に答える、説明する
という構造になっている。
しかも、徐々に抽象的な内容に
自分で質問を設定することで
最初の1)の説得力を上げている
のだそうです。
ただ、自分でやると
2)反証を自分で設定する
ことが難しいのだとか。
一つくらいは思い浮かぶのだけど、
ドラッガーは何個も出してくるのだよね、と。
そういうこと、例えば
質問とかネタとか、
打開策とかが思い浮かばないことって
実はよくありますよね。
例えば後輩への声のかけ方が
一つしか思い浮かばない。
自分の中の一つの思い付きに
固定されてしまって、
そこから発想が抜けられないのです。
古賀史健さんという人が
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」
という本で(名著です)、
こんなことを書いています。
例えば、「最近のTV」について書こうと
したとしましょう。
その時ランダムにキーワードを
(10個くらい)書いてみて、
「①つまらない」
「②下品なバラエティ番組ばかり」
「③歌番組が減っている」
「④プロ野球中継も減っている」
「⑤たまに見るNHKのドキュメンタリー番組は面白い」
と思いついたとします。
バラバラに思いついたことを
書いたようだけれど、
“番組が中心”
という傾向がありますね。
そこから、もうひと踏ん張り。
それ以外の内容で、もう10個キーワードを
上げてみることが大事なのです。
(たとえば「最近は雑誌もつまらない」や
「CDやゲームも買わなくなった」
「インターネットばかりやっている」など)
古賀さんは、そこで大切なのは
「自分を疑う力」だ、と言います。
~~~~~~~~~~~~
大切なのは「自分を疑う力」なのだと、
ぼくは思っている。
自分に何重にも疑いの網をかけていくことで、
ようやく書くべきことが見えてくる。
見えてなかったものが見えてくる。
~~~~~~~~~~~~
これは、面白い文章を作るコツですが、
発想の方法として、とても有効です。
これを最初から一足飛びにやる
方法があります。
例えば課題として「TVがつまらない」
と挙げたとしましょう。
上の例だと、
つまらない理由がいくつかとその反証一つ、
「⑤たまに見るNHKのドキュメンタリー番組は面白い」
が思いついていますね。
これ、最初からセットで
「TVがつまらない」の
反対を探そうとするから、
こうなるのです。
対応するセットを最初から
イメージする
TV ⇔ 〇〇
のではなくて、
TV ⇔ それ以外
のものをイメージするのです。
TV以外のものっていっぱいありますね。
世界に存在する「TV以外」。
・エアコン
・コーヒー
・車
・猫
・花
ここから、「TV」に対応して考えられる
ものを想像するのです。
この5つは適当に書きましたけれど、
例えば
「視覚以外の五感を使わない」
「動きがない」
などが思い浮かびますよね。
古賀さんの本の例で
「TV」について発想が番組に
固定されていたところから、
発想の幅が広がったのが
分かると思います。
華厳経(仏教)や、
自然哲学者三浦梅園の哲学で、
「一即一一」
という考え方があります。
個と全体が呼応しているという考え方
です。
説明すると長くなるのですがw
僕なりに解釈して、上のように使っています。
「一と一」を考えるのでなく、「一即一一」。
ぜひ使ってみて下さいね^^
