昨日、ポケモンGoについて記事を書いて、
AR(拡張現実)とVR(仮想現実)について
触れた。

それで、知能と認識ということを考えるのに
大きなトピックスとなるのが、AIじゃなかろうか。

実はAIにも対となる概念がある。
AI(人工知能)に対してIA(知能増幅)という
言葉があり、
人を補完するという立場ではARつまり、
ポケモンGoの考えに近い概念だ。
 

知覚を人工的に作り出すことが、
人の知覚について炙り出す作業であるのと同じように、
知能を人工的に作り出すことは、
人の知能とは何かを炙り出すことに近い。

今の技術はまだ全くそこまで到達していないのだが、
人工知能がその段階つまり自己を把握する段階に
到達することは「シンギュラリティ(特異点)」と
呼ばれ、人類史全てで見てもとてつもない
インパクトがあるだろうと言われている。


「火薬」・「羅針盤」・「活版印刷」が
三大発明と言われた中世ヨーロッパから時代は変わり、
蒸気機関・電気・原子力・金融・インターネットと
様々なものが生まれたし、

まだ実現していない常温核融合や反物質
常温超電導、軌道エレベータやダイソン球など
いろいろと凄い概念や発明はあるけれど、
確かにシンギュラリティのインパクトに比べれば
霞むかも知れない。

もし人工知能が意識を獲得すれば、
少なく見ても生活は激変するだろうけれど、
ただ人間の仕事が無くなるというだけじゃなく
人たるとは何か、ということを揺るがすだろう。


こんな面白い対談があって、
https://cakes.mu/posts/13353

AIを使う技術の有無による格差が生まれるかも
知れないし、
そもそも一日5時間しか働きたくないと言えば
AIがキャリアや方法をデザインする、何てこと
にもなるかも知れない。

そうなった時に大切なのは、
「自分が何をしたくて、
何を求めているのかというのを明確にすること」
だ、というのである。


これってでも、
実はAIがあっても無くても大事な事だ。

技術の進歩、つまり人間が持っている制約の
解消は、ヒトそのものの在り方に迫っていく。

実は宗教はこれを与えてくれる。
だがそれはつまり、
人が自分で在り方を模索することを奪うという
ことにつながっていくのだ。



用語辞典① 軌道エレベータ
静止衛星と地上をロープでつないで
電動でエレベータを動かして物を宇宙に運ぶシステム。
ロケット打ち上げの労力が不要になる。

用語辞典② 反物質
物質はすべてプラスの陽子とマイナスの電子、
電荷の無い中性子で出来ている
(その大きさと組み合わさり方が物質の性質を決めている)。
理論上マイナスの陽子とプラスの電子も
存在することが可能で、それを反物質という。
安定運用できれば物質と反物質を合わせることで
純粋に全てエネルギーに返還される(対消滅)ので
アインシュタイン相対論のE=mc2の式から
莫大なエネルギーを取り出すことが可能になる。
核分裂、核融合共に基本的な概念としては相対論が元だが、
取り出せるエネルギー比は
『核分裂』0.1%:『核融合』0.7%:『対消滅』100%。


用語辞典③ ダイソン球
恒星(地球であれば太陽)の周りを卵の殻のように
覆ってしまい、太陽電池などで全ての光や熱を
利用可能なエネルギーに変化するという仮説の構造物。

用語辞典④ 常温超電導
ある種の金属、合金などを一定温度以下(極低温)
にした時に電気抵抗がゼロになる現象。
たとえば電線などで送電する際にはどうしても
一部熱になってしまい、送電距離が延びれば延びる
ほど失われて行ってしまう。
抵抗がゼロであれば、半永久的な蓄電や、それを
利用したリニアモーターカー、効率的な送電など
様々な恩恵を得られる。
この現象を起こす物質は現在、極低温下でしか
見つかっておらず、日本のリニアモーターカーでは
液体ヘリウムで-269度を保つことで超電導を
実現している。