今日も、人に関わる仕事をした。
人を管理するというより、
人と人のあいだに、何かをそっと置く仕事だと思っている。
朝、会社に来てコーヒーを飲んだ。
思ったより苦くて、
「ああ、今日はこういう日かもしれない」と思った。
会議があった。
会議では、だいたいいつも同じ話になる。
「この制度、どうして使われないんでしょうか」
私はすぐには答えなかった。
少し考えた。
人は、面倒だとやらない。
たぶん、みんな知っているけど、
会議のときは忘れてしまう。
昼ごはんを食べながらも、そのことを考えた。
人が悪いわけじゃない。
ただ、仕組みが少しだけ複雑なことが多い。
だから私は、
人を変えるより、
順番を変えたり、
文章を短くしたり、
選択肢をひとつ減らしたりする。
それが、私の仕事だ。
午後、誰かが来て
「これ、必ずやらなきゃいけませんか」と聞いた。
私は「必ずではないです」と答えた。
その人の顔が、少し楽になった。
そういうとき、
この仕事も、悪くないなと思う。
帰るころになると、
今日あった言葉を思い出す。
言葉はすぐ消えるけど、
気持ちは、少し残る。
だから明日は、
少しだけ傷つきにくい仕組みを、
もう少し考えてみようと思う。
家に帰って、
ごはんを食べて、
シャワーを浴びて、
何も考えずに横になる。
そしてまた明日、
人と人のあいだに、
とても小さな何かを、
静かに置く。