「君の名は。」の異常人気に押されて公開直後は霞んでいたものの
ジワジワと話題になって
日頃映画を観ない層も足を運んでいるな、という満員の客席だった。
……良かった……っ!
「君の名は。」観てる場合じゃない!
同じアニメとはいえ、それぞれ質の違う作品だから比べることはできないかもしれないけど
こちらのほうが圧倒的に観るに値する映画。
人間が持つ感情の全て、喜び、悲しみ、怒り……
全部が揺さぶられるお話だった。
ドラマチックな出来事が次々に起こるのに
過剰な演出をせず、時にはユーモアも交えてそっと描いていく。
戦時は主人公のような運命を辿った女性はたくさんいたことだろう。
なにも特別なことじゃない。
あるがままの日常としてお話は進んでいく。
思えば今を生きる人たちも、大なり小なりみんな劇的な人生を送っていて
はたから見たらとてつもなく大変な事でも
当の本人は当たり前の日常だったりする。
喜びも悲しみも飲み込んで生きていかなければならない、いつの時代も。
そんな世界の片隅に生きる人たちで世界はまわってる。
敗戦の描写が今まで見たことのない演出だった。
負けたことが悔しい、という気持ちの中に
大切な人や物や時間を失ってしまった戦争への憤りがこめられていて
これもまた一つのリアルなのだと思った。
ありのままに生きていくこと
なにも特別じゃなくてもいいんだってことを
優しく教えてくれる映画だった。
それでも人生はつづくのさ。
テアトル新宿
