目覚める前、長い悪夢を見ていた気がする。
痛かった。寒かった。そして寂しかった……
ような気がするが、もうどうでもいい。
目を覚ませば自分はデグーになっていた。
取り敢えず上に登ってみたい。特に理由はないが。敢えて言うなら本能か。
階段状のステップに近付き、1段目を見上げる。
高さは大体自分の全長の3倍くらい。
……いやちょっと待て3倍?
高すぎる、と思ったがデグーは高い脚力があると聞く。案外見掛け倒しかもしれない。
後ろ脚に力を込め、狙いを定め、思いっ切り跳躍した――つもりだった。
力のかけ方を間違えたのか案外跳ばずステップの側面に頭を強打した。
強打音と共に自分の『キュ!』という鳴き声が部屋内に響く。
こんな間抜けなネズミはそういないだろう。
意外と身体の扱いが難しい。その後も何度か激高ステップにトライしたが結局登れなかった。