福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」 | 堺市北区の鍼灸院(なかもず駅スグ)「女性専門鍼灸サロン ひすい堂」

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当院は『病気じゃないけど元気じゃない』気づいたら全身に10コ以上、原因不明の不調が出ている女性のための鍼灸院です。このブログでは、肩こり・腰痛・冷え性などの改善方法や、妊活のアドバイス、東洋医学を分かりやすくお伝えします。

今、福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」という本を読んでいる。


ベストセラーの新書で、いろんなメディアでも取り上げられている本だ。








日経新聞に連載を読んで、その理系の学者とは思えない、


流麗な文体に一発ノックアウト。


仕事の休憩時間に本屋に走り、購入してしまった。









まだ途中までしか読んでいないのだが、素晴らしい本。


私の今年のナンバーワンで、とても興味深い記述が満載だ。








まず、生命とは流れである、ということ。


ものすごいスピードで、身体の分子は入れ替わっていて、


半年後、一年後には、全く違うものになっているそうだ。








これは生理学や解剖学でも習うことで、知ってはいたが、


驚いたのはその消化吸収の早さ。









食事で摂取したたんぱく質が、3日後には、身体のあらゆる部分の


臓器から検出されたそうだ。


たんぱく質→筋肉、と思い込んでいたが、


腸壁や胃、膵臓や腎臓などなど、内臓に取り込まれる方が多いらしい。









これにはビックリした。


だって、今ハンバーガーを食べたとしたら、そのパテが、


数日で自分の心臓の一部になる、ってことでしょ。









そして、新しいたんぱく質に置き換わるということは、


古いたんぱく質が常に排出されているということ。


そして、摂取がなくても、排出はセーブできないんだって。






だから、飢餓の恐ろしいところは、


たんぱく質の摂取不足よりも、たんぱく質の排出の方らしい。








お腹周りの脂肪とか、ずっと同じものが


蓄えられていると思っていたが、あれは常に


入れ替わりながら、その量をキープしているんだそうだ。








自分の臓器を、ファストフードのお肉で作りたいか、


新鮮なお魚やお豆腐などで作りたいか…。




なるほど、イメージを具体化すると、


食事の大切さというものがわかるよね。








この本のプロローグがまた興味深い。






学者が、身体はそれぞれの部分の集合体だから、


ある部分を欠損させることで、


その部分の働きを調べる、という実験をした。








ある部分を欠損させたマウスを作り、その成長を観察した。


学者はどこかしらの機能減退など、何らかの変化を期待したが、


蓋を開けると、マウスには何の異常も起こらなかった。




欠損部分を身体のその他の部分が補完して、マウスは健康にすくすくと育ったのだ。








生命とは、独立した部分のかたまりではなくて、


一つのダイナミックな流れである。


福岡さんはそんな見解を示してくれた。








西洋医学は人間を機械のように捉えて、


壊れた部分を修理すれば、元に戻ると考える。




これが良い悪いではなくて、


その「捉え方」に収まらない部分が、生命にはあるということだ。









東洋医学は部分ではなく、身体を一つのものと捉え、


どこかに不調があれば、全体のバランスの崩れ、流れの失調と見る。






福岡さんの見解と、どこか通じるものがあるなぁ、と思った。








鍼灸を勉強しているドクターなど、理系を究めた先で、


東洋的な方向に目を向けられる方って、


「一体どれだけ頭が柔らかいんだ!!」と本当に頭が下がる。


西洋も東洋も陰陽関係で、突き詰めれば転化しちゃうのかもね。






西洋医学が間違っていて、東洋医学が正しいなんて、思わない。


ただ、未来に向けて、その両極から、新しい医療のカタチが


作っていけたら素晴らしいと思う。






看護師さんや医療系の患者さんも多い当院では、


そんな夢の話を一緒にすることがあります。


あなたの、夢の医療の話も是非聞かせて下さい(^^)お待ちしています。