精油には、柑橘系の精油もいくつかあります。
オレンジ・スイート、オレンジ・ビター、マンダリン、グレープフルーツ、ベルガモット、レモンなどがあります。
これらの精油は、それぞれの果皮を圧搾法という抽出方法で抽出しています。
香りは、皆さんご存知の柑橘系独特の、爽やかな、甘酸っぱい香りがベースとなっていますが、それぞれの果実のもつ独特な香りがプラスされ、それぞれの個性となっています。
この中に柑橘系には共通の成分がいくつかあります。
私が大学生(薬学部)の頃、有機化学という科目がありましたが、まさしく、それに出てくる有機化合物の1種になりますが、一番下に記載しているような構造式をしてるものがあります。
(一番下に記載している構造式はリモネンの構造式になります。)
(正六角形の、一番下記のような形のベンゼン環という構造式を持つ有機化合物たちは、芳香族化合物と言われています。
芳香、つまり香りがするわけです。
なるほど…納得ができますね。)
その中のモノテルペン炭化水素類に分類される「リモネン」が共通芳香成分となっています。
その他に、モノテルペン炭化水素類には、それぞれの柑橘系に、α-ピネンが入っていたり、β-ミルセンが入っていたり、γ-テルピネンが入っていたり…しています。
わかりやすく言うと、上記の柑橘系の精油、オレンジ・スイート、オレンジ・ビター、マンダリン、グレープフルーツ、ベルガモット、レモンには全て「リモネン」が入っています。
今回は、この「リモネン」にスポットライトを当てていきたいなと思います。
さて、この「リモネン」には、体や心に、このような作用があります。
*副交感神経を活性化
(アセチルコリンエステラーゼ抑制作用)
→血圧降下作用、消化管蠕動運動促進作用
*中枢神経抑制作用による鎮静作用
→痛みの緩和、抗痙攣作用
*肝臓の解毒酵素の分泌促進
*腎機能促進作用
*抗結石作用
*抗腫瘍作用
などがあります。
また、「リモネン」を含むモノテルペン炭化水素類には…
*気持ちを強く前向きにさせる作用。
*鎮静作用により、心を安定させ、ストレスによる不眠にも役立ちます。
*抗菌、抗ウィルス作用。
*殺菌消毒作用。
*鬱滞除去作用(浮腫など)
*認知症の予防や改善への特許が提出されている。
このような作用もあります。
成分に着目すると、また違った目線で、精油を知ることができて、楽しいですね。
リモネンの構造式
wikkipediaより
ちなみに芳香族化合物は、ナフタレンのようにベンゼン環を持たないものもあります。
via アロマな生活