2023年11月28日(火)
 
カーテンの隙間から朝の光。 
うれしい
 
鼻と喉の管が無い目覚め
しあわせ
 
ぐにゃぐにゃのアイスノンを引っ張って外す。
便意を感じてトイレに行く。
 
ストーマになって2年
私のは双孔式のストーマで便意もある
肛門から出るのは大腸内膜の剥がれたもの。
腸内膜は1週間に一度生まれ変わるらしい
皮膚のターンオーバーより早い。
 
ぎゃーーーー!
 
トイレでゼリー状の血の塊たちに遭遇。
分かってはいても視覚的ショックは、ある。
 
放射線大腸炎とのお付き合いとはいえ
触診でこの血の量だと内視鏡検査後は凄いだろう。
麻酔お願いしといてよかった。
 
36.8℃ 平熱。
 

昨日まで絶食だった私、今日から食事が出た。

ゆるい透明ゼリー状「経腸整剤」

 

喉を通過するのに痛いけど
両手でカップを持って座れて飲める。
嬉しかった。
 
 

 

9時、主治医がひょっこり現れた。

 

午後の内視鏡検査のこと

主治医が薦めてくれるストマ閉鎖について話した。

私が今聞きたいことにも全部答えてくれた。

 

☆整理ポイントは

・腸閉塞の原因がストーマによる可能性

・放射線治療により大腸は固く脆くなっている

・放射線大腸炎がある現状

・大腸がどこまで回復するのか

・大腸内に細くなっている箇所→広がることは無い

・肛門括約筋は使うと鍛えられる(はず)

・現状も閉鎖でも食べ物に生涯気をつける

 

☆主治医に確認できたのは

・大腸外科手術後にストマ閉鎖の症例経験あり

・婦人科系放射線治療後のストマ閉鎖の症例を担当経験あり

・大腸の放射線治療後のストマ閉鎖経験・症例なし

 

☆放射線科主治医に確認内容(2022年9月)を共有

・硬さと脆さは徐々に回復するが治療前の弾力には戻らない

・治療部位を便が通過して起こる負担とリスク(

がん再発を含む)。

・大腸放射線治療後にストマ閉鎖の症例なし

 

 

「ご主人はストマ閉鎖について何て言ってるの?」

主治医がつぶらな瞳で尋ねる。

 

ダーリンとは話したことがある。

「ちかちゃんの痛みを考えると悩ましいよね」と。

QOL(Quality of Life)人生の質を、どう捉えるか。

 

オストメイトの痒みやパウチの剝れ・モレ・大変さはある。

閉鎖してのメリットも、もちろんある。

デメリットは、トイレの近さやモレの辛さ。

人工肛門造設手術を拒否時期(2021年)に

一人で排便障害を抱え生きていた時期がある。

当時の心と気力を削り目を凝らして光を探す感覚。

いつかちゃんと文字にしようと思うけど、あの辛さに向き合えていない。

 

今日の午後に内視鏡検査をした結果と共に

もう一度、

放射線科主治医に面談することを主治医と話した。

 

 

がん告知から自分の意志を全力で通してきた私に

全力で応えてくれる外科の主治医が諸々鑑みての提案。

 

結局のところ

私は、どう生きていきたいのか

そこに尽きる。

 

 

治療前の私の選択は、とにかくストマ閉鎖一択だった。

今は、自分の現在の身体の状態がよく分かる。

割れたカップが金継ぎで蘇り大事に扱うつもりが

まだまだ自分への労りの自覚が足りなかったのも実感した。

 

生きていくのに選択肢がある。幸せだ。

 

 

午前中のうちに、おしっこ管が外れた。

お茶を飲んでもいいと許可が出た。

 

午後になったら点滴を連れて共有スペースに行こう。

日本アルプスの山々を眺めよう。

ダーリンが持ってきてくれた小さなライアーの調弦をしよう。

 

 

ゆっくり考えよう。結論は急がなくていい。


私は時間をもらえた。こうして生かされて。

友人が生きたかった今日を

私は生きている。