《開校25周年》
道行く人にも目立つように掲げられた横断幕。
都内某所にある私立校は、閑静な住宅街に建てられていて、チャイムの音が響き渡る。
最寄り駅は、赤いラインの入った地下鉄で徒歩10分といったところだろう。
午前10時過ぎ、普段なら授業中だが、今日は明後日から開催される学園祭の準備真っ最中だった。
L字型の校舎に囲まれたグラウンドは、テニスコートが4面取れるので、ちょっと広いかなと思えるが、今は窮屈に見える。
イベントの特設会場になる舞台を設置したり、出店の準備やらで、ジャージを身に付けた生徒が動き回っていた。
「いいのかぁ、つばさ。こんなとこでサボってて」
「別に分かんないって、授業中じゃないんだから」
屋上のフェンス越しにグラウンドを眺めていたつばさに声を掛け、振り向いたところに缶のお茶を放った。
大きな放物線を描いてすっぽりと手に納まった。
「ありがとう、甲斐。ねぇ、部活の方は顔出さなくて平気なの?」
「バスケ部は招待試合だから、特にやることなんてねぇんだよ」
身長も高く、スリムな体型の甲斐はバスケ部の黒いジャージもよく似合う。
「クラスの方はどうなってる?」
「ぼちぼちかなぁ…。なんで、25周年なのに、こんなに盛大な学園祭なワケ?」
あと5年までは、30周年になるのだから、それまでは例年通りでもいいはずなのに、今年の生徒会と学園祭実行委員がお祭り好きで、毎年2日間の学園祭が、3日間もあるのだから驚きだった。
よく学校サイドが許可をしたものだと思ったくらいだ。
授業が1週間近くなくなるのはちょっと嬉しかったが、その後には、授業内容が『還元濃縮』されるのは目見えているのでヘコむ。
つばさは話をしながら、またグラウンドを見下ろしてた。
見える風景は、さっきと変わらない。そんな数分で何が変わるはずもないのに、そうしてしまうのだろう。
「っと…」
ポケットに入れている携帯電話が短い振動で、メール着信を知らせた。
《続く…》
道行く人にも目立つように掲げられた横断幕。
都内某所にある私立校は、閑静な住宅街に建てられていて、チャイムの音が響き渡る。
最寄り駅は、赤いラインの入った地下鉄で徒歩10分といったところだろう。
午前10時過ぎ、普段なら授業中だが、今日は明後日から開催される学園祭の準備真っ最中だった。
L字型の校舎に囲まれたグラウンドは、テニスコートが4面取れるので、ちょっと広いかなと思えるが、今は窮屈に見える。
イベントの特設会場になる舞台を設置したり、出店の準備やらで、ジャージを身に付けた生徒が動き回っていた。
「いいのかぁ、つばさ。こんなとこでサボってて」
「別に分かんないって、授業中じゃないんだから」
屋上のフェンス越しにグラウンドを眺めていたつばさに声を掛け、振り向いたところに缶のお茶を放った。
大きな放物線を描いてすっぽりと手に納まった。
「ありがとう、甲斐。ねぇ、部活の方は顔出さなくて平気なの?」
「バスケ部は招待試合だから、特にやることなんてねぇんだよ」
身長も高く、スリムな体型の甲斐はバスケ部の黒いジャージもよく似合う。
「クラスの方はどうなってる?」
「ぼちぼちかなぁ…。なんで、25周年なのに、こんなに盛大な学園祭なワケ?」
あと5年までは、30周年になるのだから、それまでは例年通りでもいいはずなのに、今年の生徒会と学園祭実行委員がお祭り好きで、毎年2日間の学園祭が、3日間もあるのだから驚きだった。
よく学校サイドが許可をしたものだと思ったくらいだ。
授業が1週間近くなくなるのはちょっと嬉しかったが、その後には、授業内容が『還元濃縮』されるのは目見えているのでヘコむ。
つばさは話をしながら、またグラウンドを見下ろしてた。
見える風景は、さっきと変わらない。そんな数分で何が変わるはずもないのに、そうしてしまうのだろう。
「っと…」
ポケットに入れている携帯電話が短い振動で、メール着信を知らせた。
《続く…》