『簡単そうで難しい問題』についての解説(2) | 私らしさを大切にしよう! -自己発見、自己受容から自己成長そして平和な社会へ-

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私らしさの心理学研究会代表 和泉光則のブロクです。
講習会などの情報の他、活動情報、日々の雑感などを
綴っていきます。

授業で紹介した問題についての解説です。

 

さて、(1)で紹介した問題と解説を踏まえて、本当の『簡単そうで難しい問題』を紹介します。

 

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 あるホテルに、3人グループが宿泊しました。
 宿泊料は一人一泊\10,000なので3人合計\30,000ボーイに渡しました。
ボーイがこれをホテルのオーナーのところにもっていくと、オーナーは、「3人にサービスしよう」と、\25,000円だけ受け取って3人に\5,000返すよう指示しました。
 客室へ向かう途中、ボーイは、「\5,000なら3人で割り切れない」と考えました。
 そしてお客さんには一人\1000、合計\3,000返し、残りの\2,000は自分のポケットに入れてしまいました。
 さて、ここでちょっと考えてみましょう。
 3人は\1,000ずつ返してもらったのだから、一人あたり\9,000、合計\27,000支払ったことになります。
 それにボーイが着服した\2,000を加えると、合計で\29,000となり、\1,000円足りません。
 \1,000は一体どこへ…?
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さぁ、この問題の答えはわかるでしょうか?
先に数値を大幅に変えた問題を見た人は、少しわかりやすいかもしれませんが、いきなりこの問題を見せられたら、まったくわからなくなります。
 
この問題の落とし穴は、『総額29,000円』という記述が、『総額30,000』と酷似しているように見えてしまうところです。
 
単純なコンピュータになったつもりで、(1)と同じように解いてみましょう。
 
 
この問題を読んだら、まず浮かぶこと、それは、
「1,000円は、お客が払わなかったお金の中にあるでしょ!だってボーイもオーナーもそんなお金は受け取っていないんだから」。
そこから、次はここにたどり着きます。
「つまりさ、お客の財布には返却された3,000円があって、ボーイの懐には2,000円、オーナーの手元には25,000円。合計で30,000円なんだよ」
とすれば、”1,000円”という金額は、どこにもない... 計算の仕方がそもそも論理的に間違っているのは明白です。
 
じゃ、何を間違えたのか?
 
”ボーイが着服した2,000円は、お客が支払った27,000円の中から抜き取ったもの。そして差し引いた残りの25,000円がオーナーの手に渡っているわけです。
言い換えると「お客は27,000円支払ったがボーイはその中の2,000円着服した」ということなわけです。
 
計算式でいうと、
 
27000-2000=25000 が正しいのですが、それを
 
27000+2000=29000 と計算した、とんでもなくとんちんかんな問題だということです!
 
長くなったので、もう一つの記事で解説を進めます。