1986年に私は東京へ上京。

休日といえば中古・輸入レコード店を

飽きずに巡っておりました。

 

輸入レコードの中でも安いカット盤や

ピクチャーレコードをよく買っていました。

リリースされたばかりの

METALLICAの3rdアルバム『Master of Puppets』・・・

と同時に買った2ndアルバム『Ride the Lightning』も

ピクチャー盤。

それって本来はコレクション用なのかもしれないけど、

私はヘビロテしていました。

 

ピクチャー・レコードって、

溝が分かりにくいので途中から聴けない、

聴き終わっても自動で針が上がらない…

とか、難点だらけなんですよね。

でもまあ、部屋で聴く分には音質は問題なかったと思います。

この二枚のアルバムをきっかけに、

80年代後半、私は

スラッシュ・メタルにどっぷり浸かっていました。

 

LAメタルやMTVなどの流行りものも聴いていたし、

けっこう耳が忙しく、

Black Sabbath への興味は、すっかり薄れていたのです。

 

 

 

でもこのアルバムは、

Glenn Hughes 参加という情報だけで充分

興味の対象になったのでした。

 

 

『Seventh Star』(1986年)

 

 

Black Sabbath名義ですが、

Tony Iommi のソロ・アルバムだと思って聴きました。

でも、ギターが突出したアルバムではなくて、

Tony らしいギターがいい味を出し、

Glenn がのびのびと歌っている・・・

そんな印象のハードロック・アルバムです。

 

1曲目から引き込まれます。

「In For The Kill」

こういうミドルテンポの重い曲は、

まさにBlack Sabbath。

Glennのヴォーカルも馴染んでいるという、不思議。 

 

「Turn To Stone」

始まりも展開も

Rainbowの「Kill The King」に似てて、

思わず重ねて歌ってしまいそうになるんですが

(失礼ですよね…(;´・ω・))

でも、お気に入りの疾走ナンバーです。

 

かっこいいドラムはEric Singer 。

後にKISSに加入しますが、

私はこのとき初めて彼の名前を覚えました。

 

タイトルソング「Seventh Star」では

Geezer Butler のベースが欲しいなぁ…と思い、

Black Sabbathが恋しくなるという、意外な効果が。

 

 

 

このアルバムのメンバーで

Black Sabbath としてツアーに出る…ときいてびっくり。

 

Glenn が「Paranoid」を歌うの?!

怖いもの聴きたさにドキドキしたのですが、

結局、Glennには当時ドラッグ問題があり、

早々に脱退してしまったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

『 The Eternal Idol 』 (1987年)

 

 

新ヴォーカリストが加入しての復活作。

でも、当時はスルーしてしまっていました。

聴いたのは、次のアルバムの後。

 

Tony Martin の声に惹かれて、

聴きそびれていたこのアルバムを手に取りました。

 

 

Black Sabbathのイメージが

ガラッと変わったアルバムだと思います。

 

1曲目の「The Shining」を聴いて、

SCORPIONSのKlaus Meineを彷彿させる

伸びのある歌声に感動。

 

Tony のギターも唯一無二の音。

いいアルバムだけど、

インパクトが薄いのは、

やっぱりGeezer Butlerのベースがないからかなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

『Headless Cross』(1989年)

 

 

このアルバムは大好きです。おすすめ!

 

まさかの

Cozy Powellが加入!

Emerson, Lake & Powell から

Cozy は、Gary Moore のアルバムに参加し

そして、Black Sabbath という流れです。

 

Cozy のドラムはTony のギターと合うはずだ、

と、私は思ったのでした。

 

 

タイトル曲「Headless Cross」は、

ヘヴィでありながらもメロディアス。

続く「Devil & Daughter」は、Cozyのドラムが最高です。

ラストの「Nightwing」は

Tony Martinのハイトーンを活かした

美しいバラードです。

 

 

このアルバムをひっさげて、来日します。

 

来日公演には仕事が入っていたので

チケットは取っていなかったのですが、

ご招待に当たったので、なんとか駆け付けました。

(わたしがCozyを見たのはWhitesnakeが最後だったと

以前に書いたことがありましたが、

このBlack Sabbath の来日公演でした。

う~ん、何たる記憶違い(;´・ω・))

 

 

 

 

この年は、春にOzzy Osbourneが来日していて、

ベースはGeezer Butlerだったんですよね。

私は行けなかったので、音源を聴いて我慢しました。

「Sweat Leaf」「War Pigs」「Iron Man」も

既にOzzyのライブでは定番曲になっていたけれど、

Geezerのベースというだけで、

やっぱり、くるものがありました。

 

Black SabbathはTonyが中心のバンドだけれど、

Black Sabbathのバンド・イメージは、

Geezerの存在や歌詞によるところが大きいと思うので。

 

そのOzzyの来日公演は、

Zakk Wylde 加入後の初来日だったこともあり、

話題になったし、大盛況だったようでした。

 

 

Black Sabbath もCozyの加入が話題になりましたが、

Tony Martinには知名度がなかったし、

『Headless Cross』の売れ行きも芳しくなく、

観客は少なかったですね。

2階席の多くは招待客だったかもしれません。

 

私は不安になりながらも、

初めて見るBlack Sabbath にドキドキでした。

 

 

オープニング曲は「Headless Cross」で、

Cozyの重いドラムの刻みに、うわー!となりましたが、

新譜からの選曲はこれだけだったような…。

予習していった私としては残念でした。

 

となると当然、名曲オンパレードになり、

やっぱり新しい曲とは盛り上がり方が違う。

2階席のファンもみんなよく歌っていて、

ステージに向かってアピールしてましたね。

「Children Of The Grave」とか

飛び跳ねながらヘドバンして。

ダブルTony に指さしてもらって、楽しかったです。

 

Neil Murrayは

長年聴いてきた大好きなベーシストなんですが、

Cozyとのペアだと

Whitesnakeが頭をよぎってしまったりもしましたね。

 

 

 

 

 

 

 

『Tyr』(1990年)

 

 

Tony MartinがVo.のアルバムでは

私はこれが一番好きです。

 

オープニングから、

Cozyのドラムがかっこいい!

続く「The Law Maker」がまたいい!

疾走感が気持ちいいナンバーです。

 

様式美HR/HMではあるけれど、

90年代らしいモダンさもあるアルバムだと思います。

ラストの「Heaven In Black」まで、捨て曲なし。

本当に素晴らしい、名盤です!

 

 

Tony Martinの存在が

Black Sabbathに革命を起こすと

私は思っていたんですけどね。

まあ、甘かったというべきなんでしょうか。

 

Tony Martin 解雇のニュースにがっかり。

そして・・・・まさか!

 

 

『Dehumanizer』(1992年)

 

 

 

Geezer Butlerの復帰は予想できたけど、

まさかRonnie James Dioが再加入するとは思いませんでした。

 

ドラムはRonnieが連れてきただろう、Vinny Appice。

…となるとDIOっぽくはず、と思いきや、

そうでもなく、

モダンなBlack Sabbathという仕上がりになっています。

 

でも、やや中途半端で、

Ronnieの良さが発揮できていないアルバムかな…と。

声をつぶし気味の歌い方が、気になります。

Sabbathっぽくないスピーディな「TV Crime」がいい

…というオチも皮肉。

 

 

このへんからBlack Sabbath の動きに翻弄されていきます。

 

 

 

『Cross Purposes』(1994年)

 

 

Ronnieが抜けて、Tony Martin が呼び戻されるという

驚きのアルバム。

う~ん、喜んでいいのか…。

 

ジャケットデザイン通りの音。

メラメラと暗い…。

Geezer Butlerがいるとやっぱり

バンド・イメージというのが、

ダークな方に流れてく気がします。

 

ハイトーンだけではない、

Tony Martinの声の表現力を味わえる、

深いアルバムだと思います。

 

一曲目の「 I Witness 」。

続くパワー・バラード 「Cross Of Thorns 」。

ヘヴィさを備えた 「 Dying for Love 」。
あたり、ぜひ押さえてください。

 

 

 

このアルバムで来日します。

私の注目は、初見のGeezer Butler。

当たり前だけど、

Neil Murrayとは全然違うプレイ。

音が重く響いてきます。

立っているだけでも、

独特のオーラを纏っているように見えました。

 

 

この時は、

『Cross Purposes』から多く演奏し、

Tony Martinの声の良さが発揮されてたライブだったと思います。

 

 

DVD

『Cross Purposes Live 1994』

をご覧になると、

画像はいまいちですが、当時のBlack Sabbathのライブが

リアルに味わえますよ。

 

 

 

 

 

 

『Forbidden』(1995年)

 

 

 

問題作扱いされてますが、聴かず嫌いはいけません。

Cozy Powell とNeil Murrayが再参加。

ヘヴィで混沌とした印象のアルバムです。

 

 

ラッパーIce-Tが参加した1曲目にはびっくり。

「The Illusion Of Power」

Tony Martin の歌い方が

前作とはまた変わって聴こえます。

 

 

このアルバムのツアー中、Cozyが抜けてしまいますが、

昨年に続いての来日が決定!

 

 

Black Sabbathと同時期に、

Ritchie Blackmore's Rainbow が来日し、

私は京都と大阪公演、3公演に行きました。

Rainbow直後にBlack Sabbath…

これは89年と同じパターンですね。

 

 

Black Sabbathも来日するのかぁ…くらいの薄情な私でしたが、

でも、会場が小さなサンケイホールだったこともあり、

『Forbidden』の楽曲がライブでどうなるのか

気になったので、チケットを取りました。

 

 

Cozy Powell の後は、

帰ってきたBobby Rondinelli。

Rainbow を見た直後だったから、感慨深かったです。

Bobby もパワードラミングのひとだから違和感もなく。

 

 

間近にTony Iommi 。

ガン見しましたね。

彼のピッキングは、今までの席からじゃ

よく分からなかったので、堪能させてもらいました。

 

『Forbidden』からは、

「Can't Get Close Enough」を演ってくれたのが、

とてもうれしかった私でした。

 

 

 

 

 

というわけで。

 

その後のBlack Sabbath は、皆さんの記憶にも新しいことと思います。

Black Sabbath名の価値というか、

まあ、バンドとは何か…とか、考えさせられる流れが続いていきます。

 

 

 

『REUNION』(1997年)

 

 

オリジナル・メンバーで再編成された、Black Sabbath。

いつかはそんなことが起こるかもしれない…

と、メンバー遍歴を見てきた私はなんとなく感じていたし、

きっと多くのメタル・ファンも

来るべき時が来た、と思ったんじゃないでしょうか。

 

これは、2枚組のライブ・アルバム。

オープニングの「War Pigs」から、

Black Sabbathの音で感動。

Ozzy Osbourne Band のOzzy Osbourneではなく、

Black Sabbathの声で感動。

 

選曲も素晴らしくて、

お気に入りのCDです。

全体的にスロー・テンポだと言われるけれど、

だからこそいいんだと、私は思うんです。

どっしりと重い。

 

ツアーでは、Bill Ward がドラムを叩いたのは

2ステージだけだったということですが、

ライブ・アルバムに残してくれて、本当によかったと思います。

私の乏しい表現力では説明できないんですが、

Black Sabbath には欠かせない独特のリズムがあるんですよ。

 

 

音だけでは物足りない、というかたには、こちら。

97年12月のバーミンガムでのライブ収録。

マストなDVDです。

 

『 The Last Supper 』 (2000)

 

 

インタヴューを交えながらではありますが、

ライブの内容がすごくいいので、おすすめします。

オープニングはもちろん「War Pigs」。

スモークの中からメンバーが現れた瞬間から、

もう魔法にかけられたように、

Black Sabbathの世界に導かれていきますよ。

 

 

2006年に

ロックの殿堂入りしたBlack Sabbath。

ここで、リユニオンとしての活動がストップ。

 

OzzyはOzzfestに出演していたし、

話題に事欠かなかったですが。

 

 

さて。

迷いましたが、

Heaven And Hell のことも少し書かなくては、

先にいけないですね。

 

2007年。

Ronnie James Dioがまたまた加入し、

今度は第二期?のBlack Sabbath が復活するとか。

そしたら、

オリジナル・メンバーしかBlack Sabbath と名乗れないらしく、

バンド名は、Heaven And Hell だという。

 

名乗れなくても

Black Sabbath を継承してると思います。

 

 

 

『The Devil You Know』(2009年)

 

 

私がBlack Sabbath を知った時に、

ヴォーカルはRonnie だったので、

やっぱりこのメンバーはうれしかったのでした。

 

そして、この音!!

DIOじゃ絶対出せない重さが素晴らしい。

 

 

 

Ronnie は2010年に他界し、

これが最後のオリジナル・アルバムとなりました。

アルバムは好評だったし、

私は来日を期待してたんですが…。悲しい

 

 

 

 

 

オリジナル・メンバーしか

Black Sabbath と名乗れないが故に、

RonnieのいたところにOzzy が戻れば、

Heaven And Hell は、Black Sabbathに再生するわけですねびっくりマーク

 

 

2013年5月12日

OZZFEST JAPAN 2日目の大トリにBlack Sabbath 。

 

参加したかった・・・・( ;∀;)

この頃は、なかなか遠征できなくて、

諦めたライブは数知れず。

 

セットリストを見ると、

既に始まっていたワールドツアーが

ベースになっていて、

新譜のナンバーも演奏されていましたね。

 

 

 

Bill Ward がいないのは本当に残念。

音源を聴くと、

よく聴こえるドラムがBillの音ではないことが、

明らかだったので。

それでも、

Tony とOzzy とGeezer で

Black Sabbathの名曲がたっぷり聴けて、最高です。

 

 

 

 

 

 

 

『13』(2013年)

 

 

 

数曲、事前に聴いていたこともあって、

新譜なのにスッと馴染めたアルバム。

どこを切ってもBlack Sabbath。

いい意味で、70年代を彷彿させていると思います。

「Loner」のリフとか、まさしく!

 

ドラムは、このアルバム制作の為に呼ばれた、Brad Wilk。

彼はRage Against The Machine では、

コンパクトで力強いプレイをするイメージがあったのですが、

全然違う印象で、

Black Sabbathに似合った、いい仕事をしています。

 

 

 

 

2016年。

ワールドツアーが始まりました。

「THE END」ツアー…、つまりこれが最後だと。

 

え?え?

来日は?日本は?(;O;)

 

 

「The End Tour」の最終公演は、ライブ絶響上映で

フィルム公開されました。

私は、Zepp Namba でのライブ絶響上映に参加しました。

来日公演がなかったことをとても残念に思いながら…。

 

 

 

『 The End 』 (2017年)

 

 

DVDとCDのセットでぜひご自宅でも体験を。

もちろんBlu-rayも出てます。

 

 

「Hand of Doom」「Rat Salad」

2ndのナンバーを聴くと、

やっぱりBlack Sabbath いいなぁ…となります。

本家だぁ…って、うれしくなるんですよね。

 

 

Black Sabbathは、

2017年2月4日、

この地元バーミンガムでのライヴを最後に、

活動を終えたのでありました。

一応。

 

 

 

2009年5月 グラミー 特別功労賞 まじかるクラウン

 

 

 

 

でも、歴史は動く…かも?

Tony Iommi の情熱によって。

 

 

 

中編を入れようかと思いましたが、

まあ、これくらいにしておきますね。

 

90年代以降は、

書き出しながら考えないと、

かなりごちゃごちゃして、記憶が曖昧でした。

メンバー・チェンジを繰り返し、

低迷期も乗り越えて、苦労をしながら、

バンドは長いキャリアを作ってきたんだと思えば、

どの年代も愛しくなってきます。

 

結局、リユニオン・ライブは見れずじまいでしたが、

映像では近年かなり堪能できました。

このブログを書いている間は、

むしろ70~80年代の音や映像を探して楽しみました。

 

そういえば、

Ronnie のドキュメンタリーってどうなったんだろ…。
 

 

むらさき音符ピンク音符ブルー音符音符むらさき音符ピンク音符ブルー音符音符むらさき音符ピンク音符ブルー音符音符むらさき音符ピンク音符ブルー音符

 

 

 

 

さて。

昨日、Bon Jovi のベーシストだった

Alec John Such の訃報を知って、大ショックな私。

 

昨夜は『Keep The Faith』を聴きながら追悼していました。

Keep The Faithの日本ツアーでは

3日続けて大阪城ホールに行ったっけ(;_:)

 

Bon Jovi の記事はまだ書いたことがないですが、

初来日から欠かさず見ているバンドで、

思い入れもかなりあります。

 

そのうち、そのうち。

 

 

ではでは、みなさま。

今回も読んでくださって、ありがとうございました。

またね~ 愛飛び出すハート