あと1週間で冬休みです。最近、私の仕事に「安全文化(の醸成)」というのが加わりました。英語で言うと「(Cultivate)Safety Culture」と言います。私をよく知っている人は「何でおまえが」と思うでしょうが本当なのです。これは、社長の気まぐれで始めるのではなく、なんと「法令」に明記されるためなのです。「文化」というのは「(集団又は個々人の)思考形態、行動様式」というレベルのもので(極めて)法律にはなじまないものなのですが、ここまでやらないといけない(かもしれない)というのが私が所属している業界なのです。国もなりふり構わず(ある意味ではやけっぱちで)やっているのだと思います。たしかに、この業界、頭がいい人が多いはずなのですが、その文化程度が低かったと言われると反論できません・・・。

で、音楽の話です。

●プレイズ・J.S.バッハvol4
西部戦線異状なし-マイコ私のお気に入りに入れているマイコ・ミュラーさんのCDで、私としては2枚目の彼女のCDです。お茶の水の中古CDショップで購入しました。

収録曲目
○平均律曲集第1巻 第1番ハ長調 BWV846
○平均律曲集第1巻 第2番ハ短調 BWV847
○平均律曲集第1巻 第7番変ホ長調 BWV852
○イタリア協奏曲ヘ短調 BWV971
パルティータ第2番ハ短調 BWV826
6つの小プレリュード BWV933~BWV938

ちょっとした感想
まず、本人自ら解説を書いているところが良い。そのためか解説を読んで、演奏により一層親しみを感じる。このCDは、バッハのチェンバロの曲としては、かなり有名なところを揃えている。ギターを趣味にしている私からすると、前のCD(リュート曲を集めたもの)に比べると、弾き方が(当たり前ですが)チェンバロ的でオーソドックスな演奏に聞こえる。たしかに、平均律1番プレリュードは、このように弾くのがバッハらしいと思う。ただ、その延長で聴いていくと、イタリア協奏曲が異質に聞こえてくる。このCDで、平均律第1集から1番、2番、7番を選んだのはなぜだろう。その2番と7番の間に、なんでイタリア協奏曲が入るのだろう。単に「リクエストに応えて」という話なのだろうか。気にする必要は無いのかも知れないが、CDを聴く方は、これらの曲を連続で聴くことになるので、なんか理由が知りたくなる。私はこのCDの中では、パルティータ2番BWV826が、組曲形式でドラマがありその全体として構成される世界が美しく心地よかった。実は、私はバッハ以降は廃れてしまう「古典組曲」という形式が好きなのです。
  ★
ライナーノートに「バロック芸術は厳しい構築と、それに施された装飾でなされている・・・。現代の我々としては少々引いてしまいたくなるような(こてこての?)バロック装飾・・・。・・が、本物を目の前にすると、バロックという様式に圧倒されてしまう」と書いてある。たしかに、バロック建築では、構造と細部にわたる装飾がセットであり理解できる。その一方、音楽での「装飾」は具体的にはどのようなところを指しているのだろうか。「バッハ伝承の謎を追う」(小林義武著)によると、ヨハン・アドルフ・シャベイという人がいて、バッハが生きていた1737年からハンブルクで「批判的音楽家」という(なんと)週刊誌を発行し、ゴシック様式を引き合いに出してバッハを厳しく批判していたらしい。シャベイは、ゴシックを「人工的な」「野蛮な」「悪趣味な」「不自然な」という意味で考えていた。それが、あのゲーテによってゴシック建築とバッハに対する評価が劇的に変わる。ここら辺を読むと、「本物を目の前にすると、バロックという様式に圧倒されてしまう」というのが(少し)理解出来るが、私は、ゴシック建築もバロック音楽も、「細部」を装飾と取るかというと少し違と思っている。わたしなりにバロックとゴシックについて考えて行きたい。
  ★
なお、そのシャベイさんは、イタリア協奏曲はその曲の明快さを評価していたらしい。私もこの曲は、チェンバロ的なところが曲に合っていて親しみ易く、その「軽さ」が好きですが、バッハの気さくな1面が現れていると解釈できるかもしれない。

●プレイズ・J.S.バッハvol3/バッハ リュートまたはチェンバロのための作品集西部戦線異状なし-ミュラー
ついでに、だいぶ前に購入したこのCDのこをと書いておきます。これも、お茶の水の中古CD店て購入しました。このCDは結構気に入っています。まず、演奏そのものが、どちらかと言えばチェンバロ的でない(ような気がする)のが良い。
収録曲
○組曲ホ短調BWV996
○パルティータ (組曲)ハ短調BWV997
○プレリュード、フーガとアレグロ変ホ長調BWV998
○プレリュード ハ短調BWV999
○フーガ ト短調BWV1000
○組曲ホ長調BWV1006a~ガヴォット・オン・ロンド
○組曲ト短調BWV995~ガヴォット1/ガヴォット2・オン・ロンド

ちょっとした感想
最初のBWV996のプレリュードの演奏から気に入った。このプレリュードをどう始めるかは、結構難しいと思っています。この曲はギターで私も弾いていますが、私にも参考になる良い演奏と思います。なお、ギター愛好家の立場からすると、一部に気にいらないところもあるが、それはささいなこと。J.S.バッハの作品としては、最も単純な曲の一つのBWV999も、バッハに敬意を払ったなかなか良い演奏です。このCDで、マイコミュラーさんの先生でもある山田貢さんが、幻の楽器"ラウテンヴェルク"を復活させたというのを知りました。

簡単ですが、ということで・・・。
でも、この方のCDのジャケットは個性的だな~~。私はこういうジャケットは好きです。