先週の土/日/月で仙台に帰った時、早朝だれも起きてこないときにギターの練習を(すこし)やりました。それで、ギターの話です。

●郷里に置いているギター
郷里の実家には、身近な人(妻です)が、はるか昔やっていたときに使っていたギターを置いている。このギターは一応プロになった大学の先輩の持っていたギターを10万円で譲ってもらったものらしい(星野といったか)。ただ、弦長が66cmもある。私はこれが、身近な人がギターから離れた要因の一つと考えている。当時も、スタンダードのギターは弦長が65cmでした。手が大きい人には、1cmの違いはどうでもいいかも知れないが、手が小さい人にはその差は大きい。そのプロになった人の配慮の無さが、(すこし)悲しい。このギターを弾くと、手を広げる練習にはなるが、後で両手指の節々が痛くなる。

●教訓
小さな手の人は(特に成人、中年の方)、自分に合ったすこし小さなギターを買うのがお勧めです(たとえギターの先生であっても、安易に人を信じてはいけない)。さらに、腱鞘炎にもならずに済みます。私は、ギターの店で購入の時に「弦長65cmも64cmも同じだ」と言われたが拒否して、64cmのを特注にしました(値段は同じ)で買いました。これは、弦の長さと共に共鳴胴もその分小さくしたものでした。楽器とは微妙なもので経験で作られています。「何かを変えると、何処かも変わる」と思います。私のギターの製作家は、小さいギターを作った経験が無いのかもしれない。それを補うため全体を僅かに小さくしたと思われる。それが事実なら、その製作家は(とても)良心的なのだと思われる。そう言う意味で、ギターの店の人がスタンダードの65cmを勧めるのも判ります(弦長63cmにすると、すべてのバランスが崩れると言っていたような・・・)。しかしながら、(手の小さい人は)なんと言っても弾きやすいのが第一です。"弾きやすい→弾いて楽しい→もっと練習したくなる"という循環を作るのが上達のコツ。「弘法筆を選ばず」は(ある意味では)正しいが、初心者ほど「筆を選んだ方がよい」と思います。

なお、私が持っている弦長64cmのギターは、失敗作か成功かですが、弾き込みが足りない私ですが、自分としては最近いい音が出てきているように思われる(素人なので、いまいち自信がないが・・・)。

●実家の近くの本屋
実家の近くには2つの比較的大きい本屋がありました。20年以上まえからの大阪資本の「なにわブックセンター」と、7~8年前に出来て直ぐに撤退した高山書店です。高山書店は、一番町と仙台駅前(今はない東宝の1F)にあった老舗の本屋でした。私の近くに大きな支店を出したのが失敗し、それが原因で倒産している。そのような中で「なにわブックセンター」が生き残っているのはリッパだ。ただ、置いてある本はだいぶ変わり、マンガや売れ筋の本が多くなっているが・・・。

●ギターの力木
その「なにわブックセンター」で、「(知のビジュアル百科)楽器図鑑」をぱらぱらと見ていて、ギターのところで大変驚いた。この図鑑では、ギターの力木が、サウンドホールと、弦の下駒の間を、魚の背骨のような太い力木が斜めに横切り、その太い力木の両側に魚の枝骨のように小さい力木が枝分かれしていた。これは、私の常識を大きく異なっていた。
楽器のしくみ私は、ギターの力木はギターの弦を支える下駒に平行な(横)木とそれに扇状に広がる(縦)木で出来ていると思っていた。例えば「カラー図解 楽器のしくみ」(左図)なんかはそういう写真が示されている。なお、前記図鑑では、力木の細かい説明はなかった(不親切だ)。これは、いったいどうしたのだろう。また、このような力木を持つギターはどんな音を出すのだろう・・・。ギター製作に関する本をギターの店等で探して調べてみよう、また、ギター製作に関する本は、私のテリトリィの図書館群で1冊あった記憶がある。まず、そこで見てみよう。ところで、私のギターの力木はどうなっているのだろう。力木は、ギターの音の命と言える。だから、私のギターの製作家は、64cmのギターをつくるのに、共鳴胴も(たぶん)同様なスケールで小さくした。なお、ギターのギターらしい音は、あのくびれにも拠っている。その微妙な関係は、経験無くして作れないのではないかと思う。以前、いろいろなギターの弾き比べをやったときがあるが、甘い音とか渋い音とか枯れた音、伸びのある音を出すギターというのもある。ただ、常に弾き比べていないと、だんだん判らなくなる。私が大学時代にバイト代をためて購入した河野の最も安いギターを、ある製作家は「ふ~ん、こんな音が好きな人もいるんだね」と言っていた。そう言われると、「そうなんだ・・・」と思えてくるのがつらい。

以上、ギターのメカに弱い私の、ギターの構造に関する話でした。