年を取ると歯が伸びるって言う人いますね

あれは歯が伸びたのではなく

歯茎の下の歯槽骨が溶けて下がった為です。

上顎の奥歯6番7番 

正式に言うと、上顎左側第一大臼歯と、第二大臼歯

これは、印象(型取り)をして石膏を注いだスタディ模型ですが

歯垢がタップリ付いているのが分かります。

この雑菌が歯肉の中に入っていき歯槽膿漏となって

歯槽骨を溶かし、歯茎が下がり、歯が伸びたようになり

歯に大きなダメージを与えてしまいます。

 

健康な(私の27歳長男の)歯は、

歯肉も確りしていて歯と歯の隙間がありません。

食べカスが入り込まない理想な状態です。

 

歯周病が始まると歯肉が後退します。歯が伸びた様に見えます

犬歯(糸切り歯)は、比較的歯根が長いのですが

ここまで露出すると動揺し始めます。

 

患者さんに見せる模型です。

歯根がピンクになっているのは、

6歳に生える6歳臼歯(第一大臼歯)です。

黒い虫歯から虫歯が侵食して神経を通って

歯の根に病巣を作った状態を表します。(根端病巣)

これによって、歯痛が起きたり、顎が腫れたり

歯茎の横がぼっこり出っ張ったりします。

神経を抜いたり、抜歯になることもあります。

右の黒い歯は、上顎の一番奥歯です。

この奥歯の奥(後ろ側)が最も磨き難いところなんです。

ここが虫歯になったり、

歯垢が溜まって歯の後ろが溶けたりします。

 

健康な歯は、歯槽骨も上まであり健康な歯肉が守っています。

その為、歯と歯の隙間が無く食べ物は挟まり難くなります。

しかし歯周病が進むと歯の豊隆部から下の括れた部分が

露出してしまい食べカスが挟まりやすくなります。

 

歯は自然治癒はしません。

長く美味しく食べられる為に小まめに歯科検診をしましょう。