MBA人気の秘密
なぜMBAが存在し、人気なのか?留学する前としてみてからで答えが一番変わった問いの一つ。日本にはまだ20そこそこのプログラムしかないけど、世界には約600校で年間25万人近くがMBA取得を目指し学習しているらしいです。実際にアメリカに来てみると、まぁMBAホルダーの多いこと。名だたる企業のTOPはもちろんのこと、(ボストンという土地柄はあるにせよ)飛行機で隣り合わせるお客さんの4人に1人はMBAホルダーじゃないかという位そこら中にいるMBAホルダー。一体この人気の理由は何なのか?一番の、そして究極の理由はアメリカ(及び欧州)の雇用体系にあると考えています。日本とは異なり欧米ではキャリアは自身の成長と共に変化すべきもの、年収は自分で上げるもの、という意識が徹底しており、数年置きに転職するのが当たり前の世界です。そのような中で自身のキャリアアップ、年収アップのカタパルト的存在、それがMBAなのです。卒業までに1000万円以上の学費を払い、寝る間も惜しんでケースを読み続ける日々。その目的は、もちろん経営全般に必要な知識を体系的に習得することなのですが、多くの学生にとってそれ自体がゴールではないように思えます。むしろ、教授や優秀な同級生・卒業生から得られるコネ、MBAがもたらす有利な就職先、就職後の高評価などなど。つまり皆の目は$マークなのです。それでも最近ではいかに社会にコミットするのか、がMBAのテーマになり一見$マークのキナ臭さが薄れつつあるように感じられますが、社会的インパクトを与えるためには$マークな人々を動かさない事には何も始まらない。その事実をMBAで学ぶ学生は2年間を通していやというほど学びます。翻って日本。雇用体系の差は変えようのない事実ですが、自身のキャリア・付加価値アップに対して本気になるインセンティブの少なさは、ある意味ビハインドではないかと思う今日この頃。プログラム数の少なさが競争力の差にならないよう、特に若手層のやる気と努力は必要不可欠です。