景気の指標として新聞やテレビで出荷量が「東京ドーム何杯分」と報じられることもあるビール。不況のあおりを受けて以前ほど出荷量が伸びていないとはいえ、2009年5月の大手ビール5社の出荷数量が3,892万ケース(1ケースは大瓶20本分)とのことですから、やはり日本人はビール好きな国民であると言えるのではないでしょうか。
そんなビール好きの国民が選んだ国産ビールの第1位は、1987年に登場し、ビール業界に「ドライ戦争」を巻き起こした《アサヒスーパードライ》。2007年に実施したランキングで1位に輝いた《キリン一番搾り》や、定番の《キリンラガービール》を押さえ、20年連続で年間販売量1億箱超を実現しているトップ・ブランドの貫録を見せつけました。
普通のビールよりもちょっとお値段は張りますが、独特の深い味わいが人気の《ヱビスビール》や《ザ・プレミアム・モルツ》などの高級ビール――いわゆる「プレミアムビール」も上位にランク・インしています。普段は節約のために発泡酒や「第三のビール」を飲んでいる人であっても、何かめでたい事があった時や、1週間働いた自分へのご褒美として、週末だけはプレミアムビールでリッチなひとときを味わっているのではないでしょうか。
ちなみに、《ヱビスビール》に関してはロースト麦芽を使用した《ヱビス<ザ・ブラック>》やホップの使用量を増やした《ヱビス<ザ・ホップ>》も9、10位にランクインしており、味にこだわるビール好きの支持を得ているようです。

3位のメキシコ産ビール《コロナ・エキストラ》(コロナビール)は、瓶にささったライムを絞った後にそのまま差し込み、ラッパ飲みするスタイルでおなじみです。缶でも販売されていますが、やはり最もおいしく感じるのはこのラッパ飲みスタイル。スッキリと軽い飲み口は辛い料理などにピッタリで、アジア系の料理フェスなどではこのビールをラッパ飲みする来場者の姿を見かけることが多いのではないでしょうか。
以下、ローストした大麦を使い独特の色と香味を実現している《ギネス》、《コロナ・エキストラ》同様にスッキリとした飲み口が魅力の《青島ビール(チンタオビール)》などがランク・インしています。ちなみに、1位の《バドワイザー》から4位の《コロナ・エキストラ》までは、5位以下を大きく引き離して前回とまったく同じ結果になりました。この4つのブランドがいかに日本人に愛されているのかがよくわかりますね。


嗜好(しこう)の多様化や少子化による市場縮小、原材料の高騰によって近年は生産量が減少しつつあるビール。日本ではシェアのほとんどを国産ビールが占めていますが、海外料理を出すお店などに行くと、やはり外国産ビールを合わせたくなってしまいますよね。外国産ビールと一口に言っても国ごとに風味やどごしなどが異なり非常に個性が豊かですが、日本ではいったいどのような外国産ビールが好まれているのでしょうか?
2位に続いたのは、おしゃれなグリーンのボトルでおなじみのオランダ産ビール《ハイネケン》。《バドワイザー》よりも長い140年以上の歴史を持つ息の長いブランドです。「ハイネケンA酵母」が生み出す独自の風味を愛してやまないファンは多く、こちらは何と170ヵ国以上で販売されているのだとか。