元駐在員のしくじり体験 | フィリピン・アラバンのななつことば

正社員として製造業の会社で働いていたとき

中国に駐在員として派遣されたことがあります。


そして2か月で文字通り泣きながら帰国しました。

そのことは私の中で黒歴史で、

この10年間あれは何だったのか、

私の何がいけなかったのか、

どうすれば良かったのかを考えたり

忘れようとしたりしてきました。

 

恥ずかしいことだと思っていたので

あんまり人に自分から話すこともしませんでした。

夫がフィリピン駐在になり

異国の地で奮闘する彼の背中を見ているうちに色んなことを思い出し、

また考えるようになりました。

 


ひとつはっきり言えることは


「駐在員はやっぱり大変だ!」


です。

 

そしてそれは経験していない人には

なかなかわかりづらいことなのだと思います。

 (ついでに言うと駐在妻もなかなか過酷なんですよ~。

闇が深いです。この話はまた今度書きます。)

駐在員として派遣されると

会社から様々な補助が与えられます。

 

当時の私の場合だと

赴任手当、住居の補助、引越の補助などなど。

 

その点は大変恵まれていた思います。



でもお金ではない、足りていなかったサポートがありました。

 

駐在員へのメンタルサポートです。

海外で働くにあたっては様々な壁があります。


言葉の壁、文化の壁、人間関係の壁等です。

食事が合わないという人もいると思います。


もちろん仕事のプレッシャーも大変大きいです。

会社にお金をかけてもらっている以上成果を出さねばなりません。

 


でも異文化の中で働くということは一体どういうことなのか、

きちんと事前教育を受けられる人材はどのくらいいるのでしょうか。


私の場合はそんな教育は会社ではなかったし、

夫の話を聞く限り彼も受けていないようです。

 

私は実際に赴任して初めて

「なんじゃこりゃ!」

と思うことだらけでした。

当時の私は社会人2年目で、

ロクな経験もスキルも人脈もなく異国の地に派遣されました。


派遣理由はただ一つ、


中国語ができたから


です。

今考えればものすごく大きなチャンスであったと思うと同時に、

なんて無謀なことだったんだろうと思います。

 

結果私は

自信を無くし、

好きだった中国語も嫌になり、

仕事への意欲も無くし、

最終的にはその会社を退社しました。


会社には大きなご迷惑をかけたと思います。

でも今の私からすると、

あれは完全な人材の選択ミスです。

語学力だけで駐在員を選定すべきではないと思います。


海外で働くには語学力はあった方がいいですが

それだけでどうにかなるものだとは思いません。

夫が今どんな環境でどんな仕事をしているのかはよく分かりません。


でも毎朝早くに家を出て行って、

遅く帰ってくる様子や

表情や話しぶりからだけでも

大変そうだなあと思います。


私にできることは少ないですが

とりあえず私は楽しく暮らし、

せめて家庭は安らげる場所になるように

努めようと思います。