6月の第1週に、林業青年の映画を観てきました。
本屋大賞作家の三浦しをんの原作本
「神去なあなあ日常」
を映画化したもの。
もちろん2時間に収まるはずはないので、ある程度話を端折り、多少原作と違うところもあります。
でも、登場人物のキャラクターや話の重要なポイントはおさえてありました。
監督・脚本 矢口史靖
出演は主人公の平野勇気に染谷将太。
頼りない都会っ子が1年でしっかりした山男に成長しました。
見方によっては彼の成長ストーリーでもあります。
のどかな田舎の風景ですが、いざ暮らすとなるとそれは大変。
集落のしきたりや、まつりごと。
自然も山の神様もいっしょにいる日常生活。
ほとんど限界集落だから老人ばっかり。
かなり原作のイメージに近い映像になっていたと思いました。
勇気が世話になる中村林業のエース、木こりの権化のようなマッチョのヨギに
ぴったりのキャスティングで伊藤英明。
かわいいけど気の強いヨギの奥さんに優香。
勇気があこがれる小学校の美人教師の直紀に長澤まさみ。
この映画出演のためにバイク免許を取得。
女っぽさよりもわざと山村のたくましい女性を演じていたように思います。
中村林業の社長中村清一に光石研
都会の感覚と山村の生活のギャップに笑わされます。
でも、林業の厳しさと重要性も巧みにメッセージとして伝えられているように感じました。
今、伐採している樹木は50年、100年むかしの曽祖父や祖父が植林した苗木が育ったもの。
そして今、植林した苗木は孫の世代が伐採して材木となる。
植えた人達はその木がどんな姿に育つかは見ることができない。
なんと時間軸の永い営みなのでしょう。
そのほか、集落の長老、山根に柄本明などベテランが脇をかためています。
原作を読んでいたせいはありますが、映像もキャスティングも期待を裏切らない、笑いとファンタジーと林業と山村の自然の厳しさを教えられた作品でした。
評価:★★★★☆