不妊の原因の1つに、「原因不明不妊」「機能性不妊」というものがあります。
言葉の通り、原因が特定できないけれど、治療しても妊娠に至らないことをいいます。
私たち夫婦は、長らく原因不明不妊だと言われて来ましたが、
新しいクリニックに転院してすぐの検査で、新たに”不妊の原因かもしれないもの”が発覚しました。
それが「高プロラクチン血症」です。
病気の話はショックでしたが、ずっと原因不明のゴールが見えない旅を続けていた私たちに、
1つ光が見えたような気がした出来事でした。
院長先生から説明を受けて初めて知った「高プロラクチン血症」。
発覚から、治療までの流れを時系列に記録します。
(こちらは、あくまでも私の体験談としてお読みください。
実際のご自身の症状の判断や治療方針については、かかりつけのお医者様にご相談ください。)
▼こちらの記事の続きです。
高プロラクチン血症の原因を探る
MRI検査
MRIの検査自体は、待合で10分、検査は30分とあっという間に終わりました。
脳の検査なので、食事制限はなく、
普段通りの生活の延長上で受けられたのは気が楽でした。
MRI検査を受けるのは、人生で2回目。
事前制限はありませんでしたが、注意事項はいくつがあり、少し気を遣いました。
MRI注意事項
●持ち込みNG
時計・携帯電話・補聴器・アクセサリー類
ヘアピン・かつら・磁気カード など
●着用NG
湿布・使い捨てカイロ・入れ歯・
コンタクトレンズ
●メイクの注意事項
アイシャドウ・マスカラは成分によって発熱の恐れがあります。
これらの化粧はせずに来院してください。
●ヒートテックの着用注意
ヒートテックの種類によって、磁気に反応するものがあるため、着用は避けてください。
●入れ墨
入れ墨は発熱の可能性があります。検査前にお知らせ下さい。
●その他
・ペースメーカー/人工内耳を使用している方は検査を受けることができません。(条件付きMR対応のペースメーカーであっても同様。)
・体内金属(コイル・クリップ)の留置、口腔内にインプラント等の外せない金属がある方で、安全性が確認できない場合は検査ができません。
検査着に着替え、検査室に入ります。
人がちょうど入れるくらいの大きな筒の中に仰向けに入り、
ひたすら大きな機械音がゴンゴン鳴っています。
ヘッドフォンをもらってしていたけれど、あれがなかったら、気が狂いそうです。
目を閉じていたら、いつのまにか寝てしまいました。
MRI当日は、本当に検査のみだったので、
お会計を入れても病院滞在時間は、1時間くらいでした。
MRI検査の結果
MRI検査の前日に受けた採卵の結果は、すでに出ていたので、
MRI後の画像診察を心待ちにしていました。(これで、不妊の原因が回避できる!と。)
検査の結果が出たのは、ちょうど検査から一週間後のこと。
結論、MRI検査の画像診断では
高プロラクチン血症の原因がわかりませんでした。泣
腫瘍ができていれば、薬や手術など、対応策を打てるのですが、
大きな腫瘍は見つからなかったとのこと。
でも、プロラクチンの値が高いのは事実です。
じゃあ、原因はどこにあるのーーーーー?泣
突っ込んで聞いてみると、
マイクロレベルの腫瘍がある可能性はゼロではなく、
プロラクチンの値には、それが関係しているかもしれないとのこと。
ただし、それはもう一段階上の詳しいMRI検査をしないと
わからないレベルのものだということなのです。(また検査1ヶ月待ち)
さらに、それには、検査前に脳に薬を入れる(!)必要があって、
その薬に副作用がある可能性があるため、
同意書(検査中、何があっても責任を問いません、訴えません、的なやつ。)を書く必要があるとのこと。
……。
先生、サラッと言うけど、
これ命がけの検査なのですか…泣。
話を聞けば聞くほど、
どんどん大掛かりな検査になっていき、気が遠くなったのを覚えています。
高プロラクチン血症、今後の治療
脳外科の先生の話を聞く限り、
上記のような大掛かりな検査になるのは、あくまで高プロラクチン血症の原因を追求した場合、とのことなのです。
原因が見つからなかったのけれど、
プロラクチンの値を下げることは、薬では可能。
だから、上記のように原因は追求しないで、
治療の方にシフトするのもなしではないですよ、とのことでした。
(脳外科の先生は、原因を追求して根本的に治療しましょう、という方針の方でした。)
話を聞いても聞いても、原因がどこにあろうと、
大きな腫瘍がない限りは、治療方法は、薬物治療のほぼ一択。
私が選んだのは、
原因は、結局何かよくわからないけれど、まずはプロラクチンの値を薬で下げる、です。
高プロラクチン血症、治療薬の話
不妊治療中は、プロラクチンの値を下げなければいけないので、
薬はその間、ずっと飲み続けることになります。
(薬を飲むのをやめたら、またプロラクチンの値はおそらく元に戻ってしまうことも多いそう。泣)
薬が良く効く場合でも、
4~5年は薬を飲み続けなければいけないと聞きました。
私が飲むのは「カバサール」という錠剤です。
ホルモンの過剰分泌を抑えるための薬で、週に1回、夕食後に一錠飲みます。
(錠剤なので、無味です。美味しくも不味くもない…)
この薬は、不妊治療で通院している病院でも処方してもらえるので、
脳外科の先生とも相談し、通いやすい今の不妊治療病院で定期的に処方してもらうことになりました。
妊娠したら、胎児への影響を考え、薬を飲むのをやめるそう。
(妊娠後は、プロラクチンの値が高くなるのが通常です。)
ただし、妊娠後のプロラクチンの値の上昇は、
元々の病気が原因なのか、妊娠が原因なのかは区別がつきません。
「妊娠中に万が一、視野が狭くなったり、目が見えなくなったら(え!)、また脳外科に来てね。」
と、優しく微笑んでくれる先生を前にして、なんとも言えない複雑な心持ちでした。
以前の不妊治療で、高プロラクチン血症が見つからなかった理由
私たちはこの夏、転院し、検査を受けた中で、高プロラクチン血症が発覚しました。
先生は、「これだけが不妊の原因だとは言い切れない」とのことでしたが、
私は大きな要因だと思っています。
では、どうして以前の専門クリニックでは、これが見つからなかったのか。
最初にプロラクチンの話を聞いたとき、
正直、私個人としては、もっと前にわかっていたら…と前の専門クリニックを恨めしく思う気持ちも湧き上がりました。
でも、よくよく話を聞いてみると、
「高プロラクチン血症」を疑う要素が私にはまるでなかったのです。
プロラクチンの値は、通常の血液検査ではなく、専用の検査が必要です。
前回の専門クリニックでは、
私に高プロラクチン血症が疑われる症状がなかったため、
検査をしなかったのだろう、と思われます。
今の病院では、前回のクリニックでやらなかった検査を
一通り全部やってくれたおかげで、今回の原因が発覚しました。
そういう意味では、たとえ初期費用が高くなろうとも、
一通りの検査をやってくれて、
あらゆる原因を探ろうとしてくれた今の病院には、本当に感謝しています。
実際、私たちの知識不足で全てをクリニック任せにしていたことも反省しました。
クリニックに通っていたら、勝手に妊娠するだろうなんて、甘かった。
やれることは、無理のない範囲でやろう、と今は思っています。
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そんなわけで、なんとも、納得しがたい結論にはなりましたが、
今後の不妊治療全体を見れば、前に進む方法が見つかりました。
プロラクチンは、多すぎても少なすぎても困るもの。
人間のホルモンは、本当に的確にうまくできているものなんですね。
望んで不妊治療を始めたわけではないけれど、
・こういうホルモンが自分の中に存在しているということも、
・こういう病気があるということも、
・こういう治療法があるのだということも、
そして、こういうバランスが全部とれて初めて、
人ひとりが誕生するのだということも、不妊治療のおかげで知ることができました。
そう考えると、不妊治療は遠回りじゃなくて、人生の幅を広げてくれたと思えます。
高プロラクチン血症は、正直今でも、なんの自覚症状もありません。
(薬が効いて、数値が下がった今も、以前も、何も変化がありません。)
今後の不妊治療と並行する上で何か変化を感じたり、
プロラクチンの治療に変化があれば、またレポートします。
(おまけ)薬の経過観察とカバサールの副作用
薬物治療の結果、一ヶ月で早速効果がありました。
これからも、引き続き週一回、継続して服用していく予定です。
▼147.5から、40にまで下がりました。薬が効いてよかったーーー
おかげさまで、カバサールの副作用
(吐き気、嘔吐、便秘、頭痛、めまい、ふらつき・幻覚・妄想・錯乱)
と言われていたものは、私は目立って感じることはありません。
飲んだ日は、よく眠れるので眠気を促す効果はかなり感じます。
いよいよこれで、胚盤胞移植周期に進むことができました。
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