海の底に住む、

ちょっとお茶目なヒラメのじいさん

語らず、教えず、ただそこにいて

ぽつりとつぶやく

ゆるく、静かに、連載中〜

 

 

 

 

若いイワCくんが泣きながらやってきた

 

 

「僕、群から逸れちゃってぇ・・・

 

 

どうしよう・・・

 

もう、終わりだぁ・・・」

 

 






ヒラメGは

 

目だけゆっくり動かしていう

 

 

「終わり?まだ始まってもおらんやろう」

 

 

 

 

イワCくんが言う

「でも、ひとりって怖いです」

 

 

ヒラメGは

 

 

砂をふわっと巻き上げながら笑う

 

 

 

「わしなんかず〜〜〜っと、ひとりじゃぞ

 

しかも地べたやぞぉ?

 

ほんで、ず〜っと横向きやしな」

 

 



 

「でもな、地べたやから見える景色もあるんや」

 

 

 

イワCくんは、ぽかんとする

 

「高く泳げるもんは空に近い。

 

でもな・・・

 

低い場所には根っこがあるんや。

 

根っこ知ってるもんは

 

簡単に流されへん」

 

 

 

少し沈黙

 

 

 

 

ヒラメGは

 

ボソッと付け足す

 

 

「・・・まぁ、わしもな

 

たまには誰かと泳ぎたい思うけどなぁ・・・」

 

 

ちょっと笑うじいさん

 

 

 

イワCくんは言う。

 

 

 

「じゃあ、今日だけ一緒にいてもいいですか?」

 

 




 

ヒラメGは目を細める

 



「今日”だけ”か?

 

まぁ、ええわ。

 

 

明日のことは明日考えよ」

 

 

その日

 

ヒラメGの影の横に

小さなイワCくんの影が並んだ。

 






 

 

今日も海はあったかいのぉ〜

 

 

 


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