Lady GaGaがコカインを使用していたとインタビューで答え批判を浴びてるようです。
10代の頃にコカインやLSDにはまっていて、今は年に1度が2度使用するくらいとの事。

原文を読んでいないので断定的な書き方は良くないかもしれないですけど、
私が一番気になったのは「私のように、闇のなかで刺激を受ける人もいる。
私が人と違うのは、麻薬をやりながら常に音楽を作り出してたこと。単に
薬漬けだったわけじゃないわ」という部分です。

シネマトゥデイの記事から

おそらく10代の頃の事を言ってると思いますし、Lady GaGaの発言の
一部だけの抜き出しや、ましてやメディアを通しての物なのでLady GaGaの
真意はわかりませんが、Lady GaGaにしては軽卒な発言ではないでしょうか。

コカイン、ヘロインでボロボロになったアーチストは沢山いるんですよ。
それで駄目なライブをやるようになったアーチスト、ミュージシャン生命を
断たれたアーチストいっぱいいますよ。
そしてドラッグで死んだアーチストも多くいる。オーバー・ドーズ、自殺ですね。
今の若い人にも聴かれてるNirvanaのカート・コバーンも顕著な例ではないでしょうか。

私、David Bowie好きなんです。

David Bowieは素晴らしい作品を作っていた70年代にヘロインで、
ボロボロになり、ライブも駄目になった時期があったのですが、
リハビリと言っていいのか、自身を立て直す為に、
ベルリンに行き3枚の作品を出します。確かIggy Popも一緒だった?

1枚目は「Low」というアルバム。
もう、自分の状態をそのまま表したタイトルですよ。
あれだけ多弁な詩で色んな世界を表現したDavid Bowieが沈黙したんです。
ほとんど歌のないシンセサイザーによるアルバムです。

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Lowの1曲目にはSpeed of Lifeというインストルメンタルの曲が。
この曲はNHK BSの映画とかの番組で挿入曲として長年使われています。

このアルバムで一番有名な曲はSound And Visionではないでしょうか。
でも、恐ろしい歌ですよ。

私なりに意訳しますね。

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①Don't you wonder sometimes
 'Bout sound and vision

時々、驚嘆しないかい?音と映像に。

②Blue, blue, electric blue
 That's the colour of my room
 Where I will live
 Blue, blue

ブルー、エレクトリック・ブルー、
これが僕が住む家の色。

③Pale blinds drawn all day
 Nothing to do, nothing to say
 Blue, blue

青白いブラインドが一日中、窓を覆っていて、
何もする事はなく、何も言う事も無い。
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Blueは憂鬱、Paleは青ざめた、という意味で、
英語でかけてあります。上手な人に訳して欲しい。

曲の感じが明るいだけに余計怖いですよ、私は。
私の勝手な想像ですが音と映像に驚嘆するというのは、
ドラッグでのことを言ってるのではないでしょうか。

David Bowieは音楽やファッションで宇宙人Ziggyを山本寛斎の
コスチュームと共に演じたり、痩せた白い公爵などのキャラクターを
演じたのですが次のアルバムHeroesで、人間であるDavid Bowieになります。
これも私の勝手な想像ですが詩をみる限りアルチュール・ランボーの
「王であること」からインスパイアされています。
この曲で初めて人間になってしまったDavid Bowieはその苦しみを叫びます。

このジャケットは日本人の鋤田正義の撮影です。

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そして80年代にScary Monstersというアルバムの中で
Ashes to Ashesが発表されファンは衝撃を受けます。

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David Bowieの初のヒット曲、Space Oddityで登場する
宇宙から観た青い地球を美しいと感嘆したキャラクターである、
宇宙飛行士のトム少佐を「彼は麻薬中毒」だったとしてしまうのです。

この歌の歌詞も恐ろしいです。
ちょっと抜粋しますね。


「僕たちはトム少佐が麻薬中毒だって知ってる。
 トム少佐は天国までぶっ飛ぶんだけど、
 ずっと奈落の底まで突き落とされてるんだ。」

麻薬の症状ですよね、一時的にハイになるけど、
その後の反動が恐ろしい。

「いつも自分に言い聞かせるんだ、今夜は麻薬に手を出さないようにしようって。
 だけど、緑色の輪っかが僕を追いかけてくるんだよ」

これはトム少佐の言ってることですが、緑の輪っかが追いかけてくるというのは、
David Bowieがドラッグに溺れてしまった時に体験した症状ではないでしょうか。

2000年に入ってからだったかな。David Bowieはインタビューで、
ドラッグについてこんな風に言っていたと思います。

「ドラッグやって絵を書いてる時は素晴らしい物が出来たって思うんだ。
 だけどシラフの時に見ると、たいした事ない絵なのさ」

ドラッグから抜け出して、生き延びれたからこそ言えた言葉ですよ。
そしてドラッグで創作活動をしてもたいした作品は作れないと言ってるのです。

Lady GaGaは今、若い人に絶大な人気を誇っています。
創作活動の為にドラッグをしていたという発言は残念でなりません。
今は1年に1度か2度か知りませんけど。
Lady GaGaは才能溢れる人なので、この発言が間違いであってほしいです。

ドラッグの更正施設で禁断症状に苦しむ人の映像を見たことがありますでしょうか。
機会があれば是非見てください。
ドラッグは天国に連れて行ってくれるかもしれませんよ、一時的にだけどね。

その後待っているのは幻覚・幻聴、禁断症状の苦しみです。