今日はCMSの導入についてお話したい。

CMSとはContents Management Systemの略だ。
いわゆるHPの管理システムのことである。

一般的にCMSを導入すれば、HTMLなどの専門知識が無くてもHPの運用や
更新が出来る
と言われているが、実は用途によって使用すべきCMSが変わってくることを
ご存知無い方も意外と多いと聞く。

細かい違いを上げてしまうとキリが無いので、ここでは用途別にCMSの種類を分け、
そして陥りがちなCMS選定の際の注意点をあげていきたいと思う。

では、早速CMSの種類とその特徴を下記に列挙させて頂く。

■CMSの種類

1汎用型CMS
⇒様々なサイト形式に対応しているCMS。他のCMSの持っている機能を1コンテンツとして扱うことの出来る万能型のCMS。

2ブログ型CMS
⇒MovableTypeやWordPressに代表されるのが、ブログ型CMSである。いわゆるブログのシステムであるが、モジュールの追加で様々な形式のサイトに対応が可能。

3WIKI型CMS
⇒その名の通り、WIKIを作成するのに優れたCMS。Pukiwikiに代表されるCMSで用語集や辞書を作るのに適している。

4EC型CMS

⇒オンラインショッピングサイトを作る際に便利なCMS。ZENカートや国内ではEC-Cubeが有名だ。帳簿をつけたり、ユーザーの管理をする際にも適したCMSであると言える。

5会員型CMS
⇒会員サイトを作りたいときに優れているCMS。例えば、式場の予約をしたカップルとプランナーがコミュニケーションを取るためのツールなどに利用すると便利であろう。Xoopsなどが有名。

6SNS型CMS
⇒会員型CMSと言えば、会員型であるが・・・もう少しコミュニティの要素が高いのが、SNS型のCMSだ。SNSと言えば、日本ではMIXYが有名であるが、内容は正にMIXYと同様と思って頂いて良いだろう。



以上が、CMSを使用用途別に分けたものである。
上記意外にも細かく分けると多くのCMSが存在するが、
実践的なCMSと言う部分で言えば、上記で充分であろう。

ココでご理解いただきたいのは、一口にCMSと言ってもこれだけの用途に合わせたCMSが
存在すると言うことだ。

もちろん、これからサイトを作ったり、リニューアルする際もこの用途に併せたCMSを選定した方が、
よりサイトの運用目的にあったサイト構築が可能
になる。

そのことを考えると、CMS選定はサイト構築を考えるプロセスに置いて、
最も重要な作業であると言うことは、言うまでもないことであろう。

次にご理解頂きたいのは、CMSにはオープンソースと有料のCMSがある。

オープンソースについては、他のサイトなどでも詳しく述べられているので、
ココで詳しい説明はしないが、一般的にライセンス費が無料であったり、
商用利用であっても低額であることがほとんどだ。

こうしたオープンソース自体の特性に問題があるわけでは無いのだが、
あまりに、この「ライセンス費が無料」ないしは「ライセンス費が低額」と言う言葉が
一人歩き
しているように思える為、今回は敢えて警鐘を鳴らしておきたいと思う。

例えば・・・WordPressを使えば、CMSは無料だからWordPressを使おう。
と言った安易な判断は希望のサイトを作れないばかりか、
場合によっては通常のサイトリニューアル費よりも高くなる可能性叫びすらあるので、注意が必要だ。

言われてみれば当たり前の話だが、

CMSのライセンス費無料≠サイト制作費無料

これらがイコールでは無いと言うことをご存知ない方が意外と多い。

ましてやWordPressでサイトを制作した方が、
静的ページでサイトを制作するよりも安くなるなどと言う事は有り得ないのだ。

理由は簡単だ。

制作工程に於いて、

CMSの設置作業と各CMS用のコーディングが必要になるからだ。

つまり、工数が増えることはあっても工数が減ることが無いわけだから、
安くなることは無いのは当然である。

この点を理解せずに、オープンソースは無料だからオープンソースのCMSを導入しようと言うのは
結果的に満足の出来るものが出来ないばかりか、
サイトの制作費に於いても高額となってしまうケースがあるのでご注意頂きたい。

また金額面だけで言えば、有料であってもオリジナルのCMSを利用した方が安くあがるケースもある。

例えば・・・弊社のCMS をご利用頂いた時の話だ。

あるクライアントはMovableTypeのCMSを使ってサイトリニューアルを計画していた。

しかし、話を聞くとブログを作りたいのでは無く、コーポレートサイトを作りたいのだと言う。

そして

新着情報や、
サービスの紹介、
スタッフの紹介、


出来る事なら

お客様の声の変更

などもしたいと言うことであった。

その内容であればブログでホームページを作るよりも、
弊社のCMSをご利用頂いた方が価格面でのメリット¥はもちろん、
更新作業においても優位性はゆるがないと思い、ご提案をさせて頂いた。

たまたま、そう言ったギリギリの状況でご提案させてもらえる状況であれば良いが、
何も知らずに、

導入後にブログであることに気づき
無料のブログを利用してるのと何が違うのか・・・しょぼん

と疑問を感じているクライアントに出会ったこともある。

そう言ったクライアントに出会うのは、同じWeb業界にいるものにとってとても残念な話である。

ただ・・・注意していただきたいのは、ブログ型のCMSを否定したいわけでは無い。

例えば先程あげた、MTにしても非常に優れたツールであるのは導入社数の多さから見ても疑いよう
無い事実であるし、豊富なプラグインをとってもそうだ。
そして何よりも、私自身も利用をしていて便利なツールであると感じている。

ただ、ブログ型のCMSであるかどうかを、しっかり導入される方が理解されているかどうか・・・
この点に関しては、疑問を感じざるを得ない状況があるのもまた事実である。

最後に・・・
こうした問題を解決するには、業者・クライアント、双方のリテラシーを上げていくこと
必須であると思う。

だがCMSについては、言葉自体は広がってきたものの、
CMSの内容をもっと広めて行く必要性があると感じている。

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