バトンとは、ブログやSNSなどのいわゆる日記風のサイトで、与えられた特定のテーマに関するいくつかの質問に答え、それを読んだ読者や友人に同じ質問セットを「回す」行為。同じ質問セットを次々に友人・知人間に回していく様子をリレー競技のバトンになぞらえたもの。
2004年頃に主に海外のブログで流行った、今聞いている音楽や自分のパソコンに入っている曲目リストなど5つの質問に回答し、次の5人に質問を回してゆく、という「Musical Baton」が発祥と言われている。
バトンのルールには様々な形式があり、指名する人数が一人のものから複数人のもの、不特定多数に投げかけるものなどがある。また、回すごとに新しい質問を考えて追加しなければならないものや、「自分の友人リストの中から該当する人を一人だけ選ぶ」といったように回答の選択肢が決められているものもある。質問を伏せ、回答のみを公表しなければならない(回答を希望する者のみが質問リストを入手できる)ルールのものを「シークレットバトン」、自分の日記にアクセスしたユーザが分かる「足跡」機能を利用して、回答を見た人全員に回答を強制する「強制バトン」(あるいは「地雷バトン」)などのバリエーションもある。
バトンは次に指名するのが複数人だったり、質問テーマが万人の興味を引くものだったりすると、爆発的に広がっていくこともある。SNSなどでバトンが流行した背景は様々に考察されているが、自ら自分の話をすることに躊躇する人でも「友達に質問されたので答える」という形式だと発言しやすいといった心理的な傾向や、指名されると断りにくい、自分でバトンを止めるのは気まずいといった友達集団内でのプレッシャー、日記機能を日常のおしゃべりのように利用するユーザ層にとって「話題作り」の手段として適していた、などの要因を指摘する声がある。