ソーシャルタギングとは、公開のWebサイトなどで、集積された一つ一つの情報に対して個々のユーザが短いフレーズや単語(タグと呼ばれる)を付加して整理することにより、効率よく分類や検索が行なえるようにする手法のこと。動画投稿サイトで動画の内容を表すために付けたり、ソーシャルブックマークサイトでURLの分類に用いられたりしている。
ファイルや情報にタグ(tag)と呼ばれる短い単語やフレーズを付けて整理する手法は「タギング」と呼ばれ、様々な種類の情報やファイルが混在している場合などに、検索や一覧を行なう際の手がかりとする目的で用いられる。
ソーシャルタギングはユーザ投稿型のWebサイトなどで用いられ、集積された一つ一つの情報に大勢のユーザがタギングを行ない、結果をすべてのユーザで共有する。一人一人のユーザによるタギングの結果が集積されるため、サービスの運営側や特定のユーザが多大な労力を払うことなく情報の分類が行なえ、それを利用した検索が可能になる。また、多くの人の見方を組み合わせることにより、検索や分類が迅速かつ柔軟に行なえるようになる。
たとえば、動画投稿サイトに投稿されたある動画に、あるユーザが「スポーツ」、別のユーザが「世界水泳」、また別のユーザが「2007年」といったタグを付加すれば、あとから動画を検索するユーザは、検索キーワードを「スポーツ」にしても「世界水泳」にしても「2007年」にしても、その動画を見つけ出すことができる。
ソーシャルタギングは、Web上の情報に対してメタデータを付加する行為といえる。メタデータによる検索という概念は古くから存在したが、Web上にコンテンツを公開しているユーザの協力が必要な点が問題となり、普及の障害となっていた。ソーシャルタギングは、個々のユーザが行なうタギングを集めることで、この問題に対処している。
ソーシャルタギングでは、タギングを行なうことでそのコンテンツを他のユーザに紹介するという側面もあるため、Web上にコミュニティを形作る一種のソーシャルネットワーキング的なサービスとも言える。趣味嗜好が似ているユーザを「お気に入り」に指定し、そのユーザのタギングを追いかけるといったサービスも行なわれている。