Curlとは、米国防総省やマサチューセッツ工科大学(MIT)などの共同プロジェクトから生まれたWebアプリケーション記述言語。株式会社カールがWebブラウザ用プラグインの開発・配布や開発環境の販売、ライセンス管理などを行なっている。
従来、Webアプリケーションの主要部分はCGIやASP、サーバサイドJavaなどを利用してサーバ側に実装され、クライアント(Webブラウザ)の役割は表示およびフォームを利用した比較的単純なデータ入力であった。Curlでは本格的なプログラミング言語の実行環境と高度なGUIやマルチメディア環境が整備され、クライアントサイドで本格的なアプリケーションを記述することができる。
Curlによるアプリケーションの記述はマークアップ言語とプログラミング言語を組み合わせたような独自のオブジェクト指向言語を用いる。HTMLやJavaScript、Javaなどの良いところを受け継いだ仕様になっており、4000を超える豊富なAPIが標準で用意されている。実行時にはJITコンパイラで動的にコンパイルされ、ネイティブコードとして高速に動作する。この言語でコマンドを囲むのに "{" "}" という文字(curly bracket)を用いるのが、「Curl」という名称の由来と言われている。
2001年10月の登場時には「Webアプリケーションの処理速度が10倍になる」などと言われ期待されたが、「ソースコード1KB当たり0.0005ドル」といった課金体系などが敬遠され、企業の社内システムのクライアントなどで限定的に利用されてきた。その後、課金方式がサーバ単位や企業単位などに変更され、一般の商取引サイトなどでの利用も広がり始めている。
Curlはもともと米Curl社が権利を保有し、関連製品の開発・配布・販売などにあたってきたが、2004年5月に住商情報システムが同社を買収し、株式会社カール・アジアパシフィックに移管、同12月には同社が住商情報システム本体に吸収され、同時に設立された株式会社カールがCurl事業を継続している。