11日の地区シリーズ第4戦でサンフランシスコ・ジャイアンツに敗れた瞬間、アトランタ・ブレーブスのボビー・コックス監督の29年に及ぶ指揮官生活が終わった。
コックス監督は試合後、「このチームを誇りに思う。選手たちは力の限り戦った」と最後の記者会見で選手たちを称賛。試合が終わった直後には、本拠地ターナー・フィールドを埋めたファンからボビー・コールが沸き起こり、地区シリーズ突破に沸いたジャイアンツの選手たちも騒ぎをいったん止めてブレーブスのベンチへ向かって帽子を取った。「私も彼らに返礼したよ。ジャイアンツは素晴らしいチームだ。私は(監督のブルース・)ボウチーが好きだし、球界でも最高の人物の一人だと思っている」と、死闘を演じた相手にも感謝した。
ブレーブスの主砲ブライアン・マキャン捕手は、監督の引退に「すごく悲しいよ。もう監督はいなくなるんだ。彼は指揮官としても人間としても最高だった」と落胆。一方、コックス監督の付き合いがもっとも長いベテランのチッパー・ジョーンズ三塁手は感情的な面を見せなかったが、「彼が監督として来年の春季キャンプに来ることはないというのが信じられない」と語った。
コックス監督はトロント・ブルージェイズを4年、ブレーブスを25年率いて歴代4位の2504勝をマーク。うちブレーブスで14シーズン連続プレーオフ進出(ストでシーズン中断となった1994年を除く)を果たし、5度のナ・リーグ優勝、1995年にはワールドシリーズ制覇も成し遂げた。また、退場158回は史上最多記録だ。そんな名将が引退してまず最初にやることはというと、「まだ分からんよ。またここに来てしまいそうだ」とのことだ。