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【スポーツ編】旬メーカーのブログ

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 100メートルの折り返しでは4番手。150メートルを過ぎて日本記録保持者の金藤を交わすと、逃げる川辺を残り15メートル付近でとらえた。女子200メートル平泳ぎで2分23秒56の自己新をマークして2位に入った渡部は「本当に五輪に行けるとは思っていなかった。すごいうれしいです」。高校1年生の15歳はうれし涙をぬぐった。

 昨年5月のジャパンオープンで平泳ぎ3冠を達成し「岩崎恭子の再来」と脚光を浴びた。持ち味は水の抵抗を受けにくいフォーム。加えて「プレッシャーのかかる場面でも、自分の泳ぎがしっかりできる」。麻績隆二コーチが絶賛する精神力のタフさがもう一つの武器だ。

 ただ、強心臓で鳴らす15歳も初めての五輪選考会は勝手が違った。「いつもと雰囲気が違って、びびってしまうところがあった」。100メートル予選は下から2番目の順位で辛うじて通過。決勝も6位にとどまった。

 後がなくなり、麻績コーチの言う「いい意味の鈍感力」が発揮される。「冬から200メートルのために練習してきたので、100メートルのことは忘れて臨んだ」と渡部。予選、準決勝と尻上がりにタイムを上げ、昨夏の世界選手権に照らして銅メダルに相当した自己記録を決勝でさらにはね上げた。

 バルセロナ五輪で、当時14歳だった岩崎恭子さんが金メダルを獲得した種目。表彰式で、あこがれの存在からメダルをもらった渡部は「五輪では結果を出すことが目標。難しいと思うけど、表彰台を目指して頑張っていきたい」。あの偉業から20年。楽しみな新星が誕生した。(細井伸彦)
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