病院からの帰り道。息子に聞いてみた。
『なんでも願いが叶うとしたら、君(息子の名前)は何をお願いする?』

─ 今思うと、なんて自虐的な質問をしたんだろうって思う。私は息子が『アレルギーを治してもらう』と答えると思っていた。
けれど息子の答えは、全く違っていた。

『おもちゃはおばあちゃんとサンタさんにもらうからぁ…。ぼく(息子の名前)ね、プロ野球選手になるよ ニコニコ


私はハッとして、吸い込まれるように聞いてしまった。
『君(息子の名前)は、パパを助けるために生まれてきたの❓』

『そうだよ ニコニコ なんで知ってるの❓』


笑顔で間髪入れない即答だった。
一瞬、時が止まったように感じた。
2〜3分間、心を落ちつけようと息子の手をひきながら無言で歩いた。


『どうして今まで教えてくれなかったの❓』

『あのね、言いたかったんだけど、言いたいことがたくさんあって、頭の中がごちゃごちゃになって言えなかったの ニコニコ

これも即答だった。
まるで、本や小説の一節でも聞いているかのようだった。

まだ4歳の息子。
内緒にしようねって約束しても、5分後にはお姉ちゃんに何でも話してしまう4歳の息子。



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─ プロ野球選手になりたい

それはかつて、息子のパパ(主人)が夢みた夢。
息子は野球チームに入っているわけでもないし、球場に連れて行っても、野球中継をテレビ見せても、ほとんど関心を示さない。


あ〜〜〜って思った。
うまく言えないけど、
あ〜〜〜〜〜〜って思った。


子どもが親を選んで生まれてくるって、本当に本当に、本当のことなんだ…



わたしに一体、何ができるだろう。
この小さな、愛しい命を守るために。
私にできることは、やるべきことは、一体なんだろう。。