今から50年前には日本にアレルギーはほとんどなかったそうです。

それが現在は、日本人の2人に1人が何かしらのアレルギー(花粉症やハウスダストを含む)を持っているとされています。(厚生労働省の資料より)

アレルギーは欧米や日本など先進国で非常に大きな問題となっており、工業化・文明化とアレルギーには密接な関係があるようです。

 

 
 

月見 アメリカで約1500万人が食物アレルギー 

アメリカでは近年、食物アレルギーの患者が増え続けています。非営利団体「Food Allergy Research & Education (FARE)」によると、現在アメリカでは約1500万人が何かしらの食物アレルギーを患っていて、そのうち約600万人が18歳以下であり、子どもの食物アレルギー患者が特に増加傾向にあるそうです。
 
食物アレルギーの中でも小麦やライ麦などに含まれる「グルテン」に免疫が過剰反応を起こすアレルギー疾患、セリアック病に悩む人々が年々増えています。権威ある医療機関の1つ「メイヨークリニック」によると、アメリカでは100人に1人がセリアック病を患っていると推定されています(患者数は約300万人)。また133人に1人がグルテン不耐症との報告もあるようです。
 
このような状況を受け、アメリカではアレルゲンを含んだ食品に表示を義務付ける「食物アレルゲン表示および消費者保護法(FALCPA)」が2004年に成立、2006年に施行されました。
 
 

月見 オーストラリアはグルテンフリー商品が豊富!

オーストラリアは以前からグルテンフリー商品が豊富なことで知られています。どんなスーパーやカフェでも、グルテンフリー(GF)のオプションメニューがない店は珍しいくらいだそうです。
 
その背景にあるのがセリアック病グルテン不耐症の増加です。オーストラリアでは潜在的な患者も含めると100人に1人の割合でセリアック病患者がいるとされ、80〜100人に1人の割合でグルテン不耐症の人が存在すると言われています。
 
オーストラリアの最近の研究によると、人は母親の胎内にいる時にすでに食物アレルギーの素因をプログラムされている可能性があるそうです。オーストラリアでは子どもの遺伝子の発現に影響を及ぼす可能性があるとして、母親の生活習慣が研究されているそうです。
 
 

月見 ヨーロッパでも増加傾向、10年間で7倍

食物アレルギーはヨーロッパでも増加傾向にあり、ヨーロッパ全体では子どもの4人に1人が何かしらの食物アレルギーに悩まされているといいます。
重度のアレルギー反応で病院に運ばれる子供の数は10年間で7倍に増えたそうです。
またセリアック病に関しては、ヨーロッパ全体で300人に1人の割合で発症しているとされ、小麦粉を食生活のベースとするヨーロッパにおいてかなり深刻な状況にあるようです。(フランスでは総人口の約3.5%、ギリシャは2.0%、デンマークは1.6%が食物アレルギーを持っているという報告もあるそう)
 
このような状況を受けEUでは2014年12月13日より、EU内の飲食店のメニュー全てに、料理に含まれる全アレルゲンを明記しなければならない法律が施行されました。
 
 
 

月見 グルテンフリーフードに困らないイタリア

パスタやパンなどが主食となる小麦文化のイタリア。
その弊害があったのか否かは定かではありませんが、セリアック病が認知されるのは、他国と比べてもとても早かったようです。
現在セリアック病に悩むイタリア人は潜在的な患者も含めると800万人いるともいわれ、グルテンフリー食品も30年ほど前から市場に求められていたと聞きます。
街のスーパーの一角にはほぼグルテンフリーコーナーがあり、レストランのメニューにもグルテンフリーを示す『GF』という表記がほぼあるそうです。
 
また「シャール社」を筆頭にグルテンフリー先進国・イタリアの製品は本当に美味しい食品が多いそうです。
スパゲッティは少し重めですがラザニアやショートパスタはグルテンフリーだと気づかない人もいるらしく、特にパンに関しては「小麦不使用にしてはまぁまぁだな」というレベルではなく、誰が食べても美味しいと思えるパンだそうです。
イタリアのグルテンフリーのパンにはコーンスターチ・とうもろこし粉・米粉・タピオカ粉・そば粉などが絶妙にブレンドされてあり、品揃えが豊富で食感が良く、食の楽しみを諦めなくても良い美味しいパンばかりなんだとか!(食べてみた〜いラブラブラブ
 
グルメなイタリア人でも満足するグルテンフリー食品は、今や「制限食」というイメージではなく「食の豊かさに気付く食べ物」となりつつあるようです!
 
 

月見 フランスの食物アレルギー事情

フランスでも近年、食物アレルギーを発症する人が非常に多くなっていて、総人口の約3.5%(約200万人)以上の人が何かしらの食物アレルギーを発症しているといわれています。
特に若年層に多くみられ、中学生以下の子どもには動物性食品が原因とされるアレルギーが増えているそうです。(成人には植物性食品のアレルギーが多い)
 
数年前まではオーガニック製品の専門店「BIO」でしかアレルギー対策用の食材が扱われておらず、普通の商品の3~5倍の値段を支払って購入するしかなかったものが、最近では普通のスーパーでもグルテンフリーのパスタ(メーカー名は「Barilla」)が扱われる様になり、値段も通常の約2倍程度で便利に買い求めやすくなったとか。
 
※「BIO」では買い物の際に医師の処方箋を提示すれば、半額程度が返金されることもあるそうです。
 
 
 
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日本では、一般的にはまだまだなじみの薄いグルテンフリー食品ですが、欧米やヨーロッパの波を受け、今後グルテンフリー食品がもっと手軽に日本でも購入できるようになる日がくることを願います。
 
※私が調べられた限りの他国状況を簡単にまとました。正確な数字でないものも含まれるかもしれませんが、営利目的に掲載している記事ではないため何卒ご容赦ください。