小麦アレルギーで怖いのが、食物依存性運動誘発アナフィラキシーです。
世界仰天ニュースなどテレビ番組で見たこと(聞いたこと)がある方もいるかもしれませんが、アレルゲンを摂取した食後に運動をすることで、アナフィラキシー(蕁麻疹、喘鳴、 呼吸困難、嘔吐、意識障害、ショックなど)を起こすというものです。
小さい子どもには少なく、ある程度成長した子ども(小中学生)から大人に多い症状と言われています。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは
比較的稀な疾患で、食物アレルギーの特殊型に分類されています。
初めて発症する年齢は中学・高校生から青年期が最も多く、発症は食後2時間以内に球技やランニングなど負荷の大きい運動を行った場合が大部分です。ですが中には、食後の入浴後や飲酒の後に発症したり、運動後の食事摂取で発症した例もあるそうです。
原因食物
発症時の食物は1番多いのが小麦製品、次いで甲殻類の順に多いとされています。
その他には牛乳・フルーツ・魚・蕎麦の報告があります。
検査方法
診断は、問診とアレルギー検査から原因食物を絞り込み、誘発試験を実施することが望ましいとされています。
igE血液検査で「 ω-5グリアジン(オメガファイブグリアジン)」の数値を調べることが「運動誘発性か否か」の判断基準になるそうです。
この数値がゼロな場合、運動誘発性である可能性は低いと言われています。
※ω-5グリアジンの数値が低い場合、「小麦が食べられるようになる可能性が高い」とも言われています。
対処方法
発症を防止できる薬剤は、まだ確立していません。患者と保護者にきちんと病気を理解してもらい、アレルゲンを摂取しない食事療法が基本となるようです。また学校関係者などへの情報共有が重要とされています。