食物アレルギーとは、食べ物を摂取したことによって現れる何らかの(病的)異常な症状を指します。(広義の食物不耐症)
一般的に「食物アレルギー」と言われているのは、igE(免疫グロブリンE)と呼ばれる抗体が関与する「即時型」といわれるアレルギーです。
アレルギーの原因となる食べ物(主にタンパク質)=アレルゲンを摂取すると、アレルゲンと戦うために、igE抗体が作られます。こうして体を守る反応を「免疫反応」と呼びます。
この免疫反応が特定の食べ物に対して過剰に反応すると、食物アレルギーが起こります。食物アレルギーだけではなく、花粉症・アトピー性皮膚炎や気管支喘息も「即時型」のアレルギーに分類されます。
広義の食物不耐症には「即時型」アレルギーの他に「遅延型」食物アレルギー、セリアック病、食物不耐症が含まれますが、これらは一般的な血液検査(igE検査)では発見できません。
※「グルテンフリー」という言葉を一躍有名にしたテニスのジョコビッチ選手は、セリアック病だそうです。
即時型アレルギーの代表的な症状
即時型 アレルギーの人がアレルゲンを摂取した場合、数分から2時間以内に下記の典型的なアレルギー症状が起こります。
⚫︎ じんましん
⚫︎ 肌の紅潮や発疹、かゆみ
⚫︎ 腹部痙れん
⚫︎ 咳または嗚咽
⚫︎ 目眩や立ちくらみ
⚫︎ 喉や声帯の腫れ
⚫︎ 呼吸困難
⚫︎ 意識消失
⚫︎ 唐突な腹痛や下痢
※重篤になると、複数のアレルギー症状が全身に短時間で起こります。これはアナフィラキシーと呼ばれ、呼吸困難、血圧低下、意識を失うなどのショック症状により、生命にかかわる危険な状態となることもあります。
アレルギーの原因食品(アレルゲン)
食物アレルギーの主要な原因として、乳幼児から幼児期にかけては、鶏卵と牛乳がその半数以上を占めています。青年期になるにつれて甲殻類を原因とする事例が増え、牛乳が減る傾向があります。成人期以降では、甲殻類・小麦・果物・魚介類といったものが主要なアレルギーの原因となるようです。
日本では食品衛生法 第19条に基づき「特定原材料」として指定する品目について表示の義務づけがなされており、また、その他の一定の品目について「特定原材料に準ずるもの」として通知により表示することが奨励されています。
特定原材料 表示義務のある7品目 |
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卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生 |
表示が推奨されている20品目 |
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牛肉・鶏肉・豚肉・ゼラチン |
あわび・イカ・いくら・鮭(さけ)・鯖(さば) |
大豆・胡桃(くるみ)・カシューナッツ・ごま |
オレンジ・キウイフルーツ・バナナ・もも・りんご |
まつたけ・山芋 |
アレルギーの原因食物(その他) |
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米・大麦・粟(アワ)・稗(ヒエ)・黍(きび)・栗(くり)・とうもろこし |
あさり・ホタテ・タコ・鮪(まぐろ)・鯵(あじ)・鰯(いわし)・鱈(たら)・鱈子(たらこ)・牡蠣(かき) |
栗(くり)・カカオ(チョコレート・ココアなど)・アーモンド・ココナッツ |
イチゴ・メロン・マンゴー・西洋梨・スイカ |
アボカド・インゲン・エンドウ・トマト・セロリ・パセリ・玉ねぎ・にんじん・じゃがいも・さつまいも・かぼちゃ・ほうれん草・筍(たけのこ)・にんにく・からし・わさび |