数学の答案とは、・・・
大学受験対策の塾や予備校の現場の現実
受験シーズンが近づいて来ました。AO入試や推薦入試がすでに始まっている大学もあるます。
長年数学の指導に携わっていて、受験シーズンになると必ず生徒から『この答案どう書いたらいいのですか?』という質問がよく来る。
この質問に答える前に、そもそも答案とは何かを考えたことがない学生がほとんどです。また学習の指導にあたっている先生も答案の書き方を知らない人が非常に多い。
約20年くらい前に、先生が答案の書き方を知らないことを知った時は衝撃が走ったのを覚えている。
そもそも学校の先生や塾・予備校の講師たちは何を指導しているのか
塾や予備校に通っている生徒のことを考えると答えはすぐにわかる。
ほとんど(全部と言ってもいいくらい)の生徒は、わからないから塾や予備校に通う。
その対処法として、先生・講師は生徒たちにわからせるための授業を行う。
つまり『問題解説の授業』や『考え方の基礎概念』の授業を行う。
ほとんどの生徒たちは、分かれば良いという姿勢で授業の望んでいる。
そこに『答案』ということを意識している生徒、講師はほとんどいない。
そもそも答案とは
生徒は参考書に書かれている内容や授業で板書した内容を答案と思っている。
『解説』とは理解している人(先生)が、わかっていない人(生徒)に向けて発するメッセージです。
『答案』とは自分(生徒)がわかっていることを、わかっている人(採点者)にアピールするメッセージです。
根本的に誰に向けてに文章かが違っているのです。
答案の書き方には訓練が必要
解説と言われるものは世の中に沢山あります。参考書も何冊もあります。解説は生徒の学力に応じても内容が変わります。
できない生徒にはより丁寧に、できる生徒には要点を中心にと書き方が変わります。
解説の模範例も沢山あります。
しかし『答案』は唯の1冊も売っていません。模範例もほとんどありません。
もし『答案』の書かれた参考種や問題集が売られていたらどうでしょう?
先ほども書きましたが、答案とは書き手が『わかっている』ということをアピールする文章です。
本にしてしまったら、一体誰に対して『私はわかっている』ということをアピールするのでしょうか?
少し考えてみたらわかることです。『答案』が書かれた参考書や問題集などありえないのです。
何度も書きますが、答案とは、誰か特定の、しかも自分よりも十分に理解している人へ向けた文章です。
答案の書き方てどうすればいいの?
生徒はよく身近な学校の先生に答案の添削をしてもらっています。しかしそれでは不十分です。いや、寧ろ学校の先生に添削してもらうのはやめたほうがいい。
その理由は次の例からも分かります。
学校の先生から「答えが間違っていても、計算途中を書いていたら、部分点は出せる」と言ったことを聞いたことありませんか?
学校の定期試験ではこのような採点方法をとっていることがわかります。
大学入試では、『問われたことに対して、答える』が原則です。問いに対する答えが書けていない答案は全て×です。
計算途中も書きなさいという問題では、学校の先生が言っていることは、大学受験でも得点や合格につながりますが、実際『計算途中も書きなさい』という問題などほとんど有りません。
では、どうするのか?
私のように、大学受験や大学院入試の採点の現場にいた先生に習うことが一番の近道です。
策問者の視点で問題分析ができたり、採点間の視点で、採点の基準がわかるからです。
私の知る限り、学校や塾、予備校は『実際の採点現場にいた先生』の情報を持ち合わせていない。
実際に内容理解よりも、答案力だけで合格する生徒も沢山います。
何かの参考にしていただけると幸いです。